散策〜
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話を聞く気になれなかった。
「・・・・・・冗談じゃない。冗談じゃないぞ。今更・・・半年も経ってから何を今更・・・」
シュミットは叫び始める。
「お前はそれでいいのかよ、ヨルコ!今まで頑張って生き抜いてきたのに、こんな、わけも解らない方法で殺されていいのか!?」
その言葉にヨルコさんはなんて返すか・・・そう思った時。
トン
「・・・え?」
乾いた音がして、顔を上げると・・・ヨルコさんも目を見開き・・・その身体が大きく揺れ、窓枠に手をかけた時・・・信じられないモノが目に入った。
「な・・・!」
ヨルコさんの背中に何か・・・黒い棒のようなものが刺さっていた。すぐにダガーの柄だと理解したが・・・一体どこから!?
「あっ・・・!」
アスナが声を上げる。再びヨルコさんの身体が揺れ・・・窓の外に消えた。キリトがすぐに駆け寄るが・・・
「ヨルコさん!!」
カシャアン、と破砕音が聞こえた。・・・何の音かなんて・・・嫌でも判る。その時、宿屋の窓から離れた屋根の上に・・・漆黒のフーデットローブが付いた黒衣にに全身を包んだ人影があった。
「・・・んの野郎っ!!」
俺はキリトを避けるように窓枠に足をかけ、跳ぶ。
「サキ、ダメよ!」
アスナの制止を振り切る。くそっ、あそこまでリパルのサーチは届かない!
「ふざけやがって・・・!」
『ちょっと!下手に深追いして咲までやられたらどうするのよ!』
『そうッス!ここは・・・!』
「逃がせるかよ・・・!方法はどうあれアイツはヨルコさんを・・・!くそっ、近くにいながら情けない・・・」
『だけどアイツは圏内の防止コードを抜いたのよ!?しかもHPを一撃で0にした・・・危険よ!』
「当たらなきゃいいんだろ!」
二つの漆黒の人影が屋根を駆ける。目撃したプレイヤーは何かのイベントかと勘違いするだろう。
「くっ・・・」
足の速さは同じ・・・いや、俺の方が遅い。
「だったら・・・」
俺は細い路地に飛び込み・・・壁を三角飛びのように連続で蹴る。色々重力無視だが、今は野暮なツッコミは無しだ。ある程度近づき、捕まえようとした時、人影が懐に手を入れた。
「・・・!」
またあのダガーかと思ったが・・・人影の手に握られていたのは・・・転移結晶。
「なろっ・・・!」
俺は咄嗟に亮から貰ったクナイを取り出し、投げる。プロテクトに弾かれようと、少しビビってくれれば追い付ける・・・!
ガキン!
・・・だが、人影はまったく動じない。直後に飛来してきたピックも弾かれる。・・・どうやらキリトも追ってきてたようだ。
「たぁっ!」
壁を強く蹴り、空中で前転しながら屋根に飛び乗
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