散策〜
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って・・・)」
宿屋に入るとすぐにアスナ達がいた。
「アスナ」
「あ、サキ」
「貴様は・・・」
端にいた男・・・シュミットが俺を見るなり顔を険しくする。
「どーも。俺のことはご存知で?」
「・・・聖竜連合のメンバーは五人連続で打ち負かし、妨害工作を行なった男」
「・・・間違っちゃいないな」
「“漆黒”と“閃光”とは・・・」
「お前、何処に行ってたんだ?」
「ちょっと野暮用ついでに、な。遊んでた訳じゃねえから安心しな」
取りあえず武器を持たせず、二人を会わせる。リパルには宿屋内に不審人物がいないかサーチさせ、俺達三人も三方向から見渡せる位置にいた。シュミットはフルプレートを着込み、ヨルコさんは俺と同じように着れるだけ着込んでいた。やはりお互いに不安は拭えないようだ。しばらくは普通の世間話をしていたのだが・・・やはりお互いに犯人はグリムロックだと思っていたのか、どんどん感情が籠っていく。
「グリムロックはどうして今更カインズを・・・売却に反対した三人を全員殺す気なのか?オレやお前も狙われているのか!?」
・・・その言葉に有ったのは・・・恐怖。だが対称的にヨルコさんは冷めていた。
「リーダー自身の復讐なのかもしれないじゃない?圏内で人を殺すなんて、普通のプレイヤーにできるわけないんだし」
「(・・・?)」
「な・・・」
シュミットは口を開くが、言葉は出ずに金魚のようにパクパクさせるだけだ。
「私、ゆうべ寝ないで考えた。結局のところ、リーダーを殺したのはギルメンの誰かであると同時にメンバー全員でもあるのよ」
ヨルコさんはちらりと左右にいる俺とキリトを見てから、椅子から立ち上がり、窓に向かって後ろ歩きをする。
「あの指輪がドロップした時、投票なんかしないでリーダーの指示に任せればよかったんだわ。ううん、いっそリーダーに装備してもらえばよかったのよ。剣士として一番実力があったのはリーダーだし、指輪の能力を一番活かせたのも彼女だわ。なのに、私達はみんな自分の欲を捨てられずに、誰もそれを言い出さなかった。いつかGA(ゴールデンアップル。黄金林檎の略称)を攻略組に、なんて口で言いながら、ほんとはギルドじゃなくて自分を強くしたいだけだったのよ」
そのままヨルコさんは窓枠に腰掛けるようにしながら、付け加える。
「ただ一人、グリムロックさんだけはリーダーに任せると言ったわ。あの人だけが自分の欲を捨てて、ギルド全体のことを考えた。だからあの人には、多分私欲を捨てられなかった私達全員に復讐して、リーダーの敵を討つ権利があるんだわ」
「(・・・復讐する権利なんか・・・誰にもねぇよ・・・)」
俺は顔を逸らす。あまり長く
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