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Sword Art Online -Gun Sword-
Sword Art Online
prologue
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ームシステムがそれを支援、加速してくれるため、プレイヤーは技の動きをイメージしながらモーションを起こすだけで剣を自在に操り、華麗な動きで攻撃することができる。最上位剣技ともなれば十連撃に及ぶまさに芸術と言うべき美しい技の数々を、自分の体がなめらかに動きながらすさまじいスピードで繰り出し、敵の体に吸い込まれるようにヒットさせてゆくときの快感は筆舌に尽くしがたい。
 考えてみれば派手な魔法攻撃はシューティングやアクション系のゲームと被る要素が多い。「プレイヤー自身の肉体をデータ化できる」というナーヴギア最大の特徴をもっともよく活かし、超人願望を充足させるという意味では、SAOの剣技に特化したシステムは実にうまく考えられた代物だと言える。テスト期間が終了し、自分のキャラクターデータが消滅したときはまるで体の半分を奪われたような気がしたものだ。
 結局、千人のプレイヤーが半年がかりで攻略できたのはたった十層足らずだった。オンラインRPGには明確なクリア目標がないのが普通だったため、アインクラッドの最上階を目指す、という設定には驚かされたがなるほどこの難易度とボリュームなら、と納得したのを覚えている。
 
 二〇一二年十一月最初の日曜日。大きなバグを出すこともなく半年間のベータテストが終了し、満を持して〈ソードアート・オンライン〉は発売された。回線の安定を最優先して第一期出荷分は五万本に限定され、ベータテストの時ほどではないにせよ再び発売前からの争奪戦が過熱したが、サービスのいいことに希望する元テスターには無償で製品版ソフトとアクセスIDが与えられた。無論、俺を含むほとんどすべてのテスターがその恩恵に与ったはずだ。
 発売日の正午ちょうどにアーガス本社に設置されたゲームサーバーが正式運営を開始することになっていた。秋葉原で開かれた大掛かりなイベントでは巨大なスクリーンにゲーム内部の様子がリアルタイムで映し出され、現実世界と同時進行のセレモニーが開催される予定だった。数年前にオープンした駅前のITセンターを借り切って行われたそのイベントには、アーガスの社長やナーヴギア発売各社の重役陣、都の役人にいたるお歴々が出席し、マスコミはカメラの砲列をステージとその後ろのスクリーンに向けてカウントダウンを今や遅しと待っていた。
 その日、俺は自室で即席のナーヴギア専用シートにもたれてその様子をギリギリまでテレビで眺め、昼食のピザの最後のひとかけらを飲み込むと、興奮を抑えながらギアを装着した。プラスティック越しにかすかに届くイベント司会者の声を聞きながら、俺は言った。リンク・スタート――現実世界の重力を消し去る魔法の言葉。ギアから発せられた電界が俺の意識を包み、肉体から解き放つ。
 正午少し前、五万人の幸運なプレイヤーは各々の自宅から一斉にアクセスし、現実世界を飛び出し
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