第8章:拓かれる可能性
第237話「剥奪」
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う少しで、結界は完全に崩壊するだろう。
「立ち止まって戦い続けたから、他の連中が嗅ぎ付けた……のか?」
「そうなるわね」
閉じ込める結界がしばらく張られていれば、善神悪神問わず気にするだろう。
それによって、結界外で何かが待ち受けていると優奈は考えた。
「つまり……」
「そう―――」
それを帝も理解し、答えを口に出そうとする。
同時に、結界が崩壊した。
「待ち伏せされてるって事よ!!」
その瞬間、優奈と帝を包囲するように、大量の理力の弾幕が降り注いだ。
一撃一撃が非常に強力で、予期していなければ確実に競り負けていた。
「ッ、ぉおおおおおおおおっ!!!」
「これぐらい、なら!!」
だが、寸前とはいえ二人は予期できた。
帝は先程と同じ弾幕を。優奈もそれに倣って創造魔法で迎撃を図る。
「……えっ?」
しかし、そこで帝が呆気に取られた声を漏らす。
「ッ!?」
直後、“ギィイン”という武器同士のぶつかり合う音がいくつも響く。
「武器が、返って来た……?」
それは、先程の悪神のベクトル反転とはまた違った。
先程、帝は確かに射出した武器を“奪われた”と感じた。
その奪われた武器で反撃してきたのだ。
「(だが……!)」
その上で、帝は武器を射出し続ける。
まずは目の前に広がる弾幕を何とかしなければいけないからだ。
「帝、少し持ち堪えて!」
「ああ!」
このままではジリ貧。
そう判断した優奈は即座に瞬間移動を行使する。
向かう先は弾幕を繰り出す張本人。
転移すると同時に、理力を込めた剣を射出する。
「ハッ!直接来たか!」
「はぁっ!!」
二回、三回と分けて何度か剣を一斉射出する。
“可能性”を内包したその一撃は、例え弾幕であろうと突っ切る。
「(途切れた!)」
その攻撃を対処するため、弾幕が若干薄れた。
それを見届けた優奈は瞬間移動で帝の元へ戻り、手を掴む。
「ッ!」
そして、もう一度瞬間移動をする。
「(あれは……)」
その時、優奈も帝もソレを見た。
おそらくは、善神とその“天使”だったのだろう。
あまりにも無惨な状態となって、そこら中に倒れていた。
「っ、もう一度!」
移動先から、さらに優奈は瞬間移動する。
先程とは違い、結界に閉じ込められていないため、包囲から逃れられた。
“負の性質”による能力の低下もなくなっているため、逃げるのは容易だ。
「……あれは、正面からやり合うのは危険ね」
「……そんなにか?」
「ええ。包囲時の弾幕による制圧力は、結界に閉じ込められた時よ
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