第8章:拓かれる可能性
第237話「剥奪」
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「くそっ!!」
「ぐっ……!?」
“悪の性質”の悪神が倒れた。
それを見て、“幽閉の性質”の悪神が帝を拘束する。
優奈は“負の性質”の悪神と洗脳された神達を相手にしており、帝も相手を倒したばかりで隙があり、いとも容易く結界に囚われてしまう。
「エア!!」
〈はい!!〉
―――“カタストロフ・エア”
だが、それも時間を稼ぐだけに留まった。
攻撃に“世界を裂く”と言う概念がある以上、閉じ込める結界……否、一つの世界に閉じ込めるという“幽閉”の概念がある結界では、閉じ込められない。
「……次はお前か?」
「っ……!人間風情がぁっ!!」
激昂した悪神が帝をロックオンする。
それを見てなお、帝は笑みを深める。
「人間だからこそ、俺は足掻くんだよぉっ!!なめんじゃねぇぞ!!」
吠える。自らを奮い立たせるために。
虚勢ではある。見栄でもある。
それでも、帝は戦う。好きな相手……優奈を守るために。
帝は前世を含めた今までの人生の中で、最も強い熱意を抱いていた。
決して譲れないモノだからこそ、その熱意はより燃え続ける。
「ッ……!!」
先程までの攻防は、神界でなければ、既に帝は死んでいた程の魔力行使だった。
何より、エミヤ本人でさえも限定条件下且つ劣化版しか投影出来ない約束された勝利の剣を、完全な形で、しかも連続で投影したのだ。
体への負担は、かなりのもののはずだった。
……しかし、帝はそんな様子を見せない。
「ッ、ハハハハハハハ!!防戦一方じゃないか!“幽閉の性質”とか言ったか!?所詮攻撃性の低い“性質”だ!優奈が相手するまでもねぇ!!」
虚勢を張りつつ、敵を嘲る。
慢心したような言葉だが、これも帝が自分を奮い立たせるためだ。
何より、そういった虚勢でも、帝の強さを後押ししていた。
「調子に……乗るなぁっ!!」
「ッ!!」
だが、敵も無力ではない。
理力を開放する事で衝撃波を放ち、帝の攻撃を弾き飛ばす。
「っはぁっ!!」
負けじと帝も武器を射出しつつ、“天の鎖”で拘束を試みる。
「無駄だ!」
悪神は自らを“幽閉”する事で、外部からの干渉を断つ。
それによって鎖どころか帝の攻撃全てが防がれる。
「はぁっ!」
「ふっ……!」
同時に、悪神の“天使”が攻撃を仕掛けてくる。
「その程度!」
しかし、帝はそれらを王の財宝から盾の宝具を取り出す事で防ぐ。
同時に大量の武器を飛ばし、すぐに間合いを離した。
無理矢理近づこうとした“天使”は、ハリネズミのように串刺しにさ
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