第七話
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の呪文とかでパッとついちゃうんですよね」
「すまんがわたしの呪文で行けるのは、過去に行ったことのある場所だけじゃぞ?」
「あ、あれ?そうなの?」
「そうじゃよ。テレポート呪文で移動するには一度その場所に実際に行かなければならないのじゃ。これは言ってみればテレポート呪文が場所との縁を手繰って移動するからじゃな」
「て言うか、勇者の墓参りを徒歩で行った時点で気付け」
「ふ、ふーん。でもでも!飛行呪文とかでビューンと!」
「全員をまとめて飛ばすのはちょっと難しいかのぅ。一人ずつ運んで往復することになる。そうなると空を飛んでいるとはいえ、かなり時間もかかるじゃろうて」
「ええっ、じゃあどうするの!?」
「ふふん、やっといつもの勇者に戻ったじゃないか」
全然嬉しくなーい!
「大丈夫だ。そう遠くないところに転移門が設置されているからそれを使う」
「転移門?」
「転移門というのは目的地が固定されている簡易なポータルだな」
「そんなものが……ていうか、なんで最初から教えてくれないのよ!」
「そりゃ勇者をからかうのがおもしろいからだろ」
なんで!!
そんな!!
いじわる!!
するの!!
「……勇者、なに踊ってんだ?」
「全身で怒りを表現してるの!」
魔王許すまじ。
翌日の昼頃まで歩いて着いたのは小高い丘の上。
そこには石のタイルを敷き詰めて作った円形の舞台みたいな場所がありました。
「これが転移門なの?」
タイルは円をいくつも組み合わせたような模様を作っています。
一番外側の円の内側にその同心円がいくつかと、そうした円の上にさらに小さな円がいくつか。
「そうさ。こいつを使えば移動時間を大幅に短縮できる」
「そうなんだ」
「そうさ、すげーだろ?」
魔王ドヤリング。
マリアさんに抱っこされてるくせにねー。
「……なんかドヤってるけど、これ魔王が作ったの?」
「いや、違うけどさ……別にいいだろ?こいつがすごいことは変わらないんだから」
「確かにそうじゃな、これは大した呪物じゃ」
「へー。アルマさん、呪物って何?」
「魔法はマナが心の動きに反応してできると言ったのは覚えておるか?」
「あ、うん。人間は体が邪魔で魔法が使えないんだよね」
アルマさんみたいな妖精族は体の存在が薄いので心がマナと直接触れて魔法を使うことができる。
ちゃんと覚えてますよー。
「左様。そして呪物というのはそうした魔法を心を持たない物に使わせる仕掛けじゃ」
「へー」
「ほれ、所々に透明な石がはめ込まれておるじゃろ?」
「あ、本当だ」
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