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レーヴァティン
第百四十六話 マドリードへ向けてその九
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「連中が動いたらな」
「その時は、ですね」
「ああ、こっちも騎兵隊を出してな」
 そのうえでというのだ。
「連中にも勝つな」
「そうしますね」
「絶対に動くからな」
 敵の騎兵隊はというのだ。
「テルシオがあまりにもやられるとな」
「戦線の危機を感じて」
「そうしてな」
 そのうえでというのだ。
「勝つな」
「それでは」
「ああ、今はテルシオを攻めていくな」
 あえてぶつからず銃や術、砲で集中攻撃を浴びせてというのだ。それもテルシオ個々に対してである。
「そうしていくな」
「それでは」
「ああ、やっていくな」
「それではな」 
 こう話してだ、そしてだった。
 久志はテルシオの各個撃破を進めていった、さしものテルシオも遠距離からの集中攻撃には徐々に崩れていき。
 一つまた一つと崩れていく、するとだ。
 久志の読み通りになった、遂にだった。 
 敵の騎兵隊が動いた、久志はそれを見て進太に声をかけた。
「じゃあな」
「今からでござるな」
「頼むな」
「承知したでござる」
 これが進太の返事だった。
「それでは」
「ああ、連中は頼むな」
「ここで騎兵隊も破れば」
「もう砲兵隊は破ってな」
「テルシオもでござるな」
「破ろうとしてるからな」
 それでというのだ。
「ここでテルシオも敗れば」
「それでな」
「ああ、後はな」
 それこそというのだ。
「騎兵隊も敗れば」
「もう敵の手は完全に封じた」
「そうなるからでござるな」
「ここは頼むな」
「承知したでござる」
 進太は久志の言葉に頷いた、そうしてだった。
 彼は騎兵隊を率いて自軍の左翼に来た敵騎兵隊に向かった、今右翼ではテルシオとの戦いが行われていて。
 そこに来た、敵の騎兵隊はすぐにカラコールに入り術や銃での一列攻撃を次々にまさに車輪の様に繰り出しはじめた。
 だがその彼等にだった、進太は。
 自らも剣を抜き抜刀突撃を仕掛けた、敵は攻撃を放ち次の列が出て来るその隙を衝かれてだった。
 切り込まれ倒されていった、術や銃で攻撃するが剣や槍といった接近戦用の武器がないことが仇になった。
 進太は敵の騎兵達を次々に切らせる、そうして敵を圧倒する。久志はその戦振りを見てそのうえで言った。
「敵が銃とか術だけならな」
「抜刀してですね」
「それで突っ込んでな」
 そのうえでというのだ。
「切り込んだらな」
「勝てますね」
「ああ、術や銃で続けて撃たれるとやばいさ」
「それに迂闊に攻めてもですね」
「敵は騎兵だからな」
 それでというのだ。
「すぐに逃げられるさ、けれどな」
「こちらも騎兵で、ですね」
「突撃を仕掛けたらな」
「敵の騎兵にああして攻められても」
「対処が出来ますね」
「ああ、切
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