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リュカ伝の外伝
才能と素質 完結編
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再教育を! それと不在になる分の教師の補充。急を要する事案だから、宰相が手伝う事!」

「何でだよ。文部魔法学大臣がやるべきじゃねぇの?」
文部魔法学大臣(ストゥディオ)の指導がなってないから、この事態が起きたんだ。任せられるか!」
あ〜あ……ストゥディオ文部魔法学大臣は今日怒られるな。少なくとも俺に!

「解ったら納得の是非関係なく行け! 僕はこれから忙しいんだ」
「忙しいって何だよ! 俺等に面倒事を押しつけたんだから暇だろうに!」
ぐったり項垂れるサム・ラゴウスの腕を引っ張る様に掴み、リュカさんへ文句を言う。

「馬鹿者。これから未来ある若人の試験の続きをせねばならぬのだ! まだ半分は試験を受けてなさそうだからね。さて……試験は名前の順で発表だっけ? 先刻(さっき)入室時に発表してた君は名前なんでいうの?」

俺等に“さっさと出て行け”とジェスチャーを送ると、
「は、はい! お、俺……私はネイサン・ノーランドです!」
と緊張気味に答えた生徒に場所(ピアノの席)を譲り試験を継続させる。
リュカさん自身は先程までサム・ラゴウスが居た席に移って。

勝手だなぁ……









奴の解雇など諸々の事務処理を終え、例の教室へリュカさんを迎えに行くと中から先刻(さっき)リュカさんが弾いた曲が聞こえてきた。
試験も全て終わり、いつもの様にリュカさんがピアノを披露してるのかと思ったのだが、中に入って驚く。

なんと弾いてたのはアイリーン・アウラーだった。
リュカさんが弾いてるのかと思うほど上手く、本当に盗んだ曲かと思うほど流暢に、盗作がバレて怯えてた時の表情とは思えないくらい色っぽく曲を奏でる彼女。素人でも解るくらいのピアノの腕前だ。悪いがピエッサさんの遙か上……もしかしたらリュカさんよりも上手いのかも。素人には判らない領域だ。

みんな俺の入室に気付いてはいたが、曲の邪魔をしたくないのか誰も声も出さなかった。
そして俺は立ったまま入り口付近で静かに聴く。
暫くすると曲を弾き終えて華麗にフィニッシュをキメる。

するとリュカさんから盛大な拍手が送られ、
「いやぁ……本当に上手いねぇ。嫉妬も出来ないレベルだ」
と絶賛し、他の生徒らも殆どが頷いている。

「さて、前半の子達のは聴いてないけど、聴いた子達は全員上手かったし、全員上手い事は間違いないから、全員合格ね」
そう言うと立ち上がりアイリーン・アウラーの頭を撫でてこちらに来るリュカさん。もう帰るって事だろう。

教室を出る間際、リュカさんは室内へ上半身だけ入れると、
「そうだピエッサちゃん。『ドラクエ序曲』の完全な楽譜を近日中に書き上げるから、君が選んだ芸高校(芸術高等学校)生徒だけで交響楽団を結成し、
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