第二話
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ません。みんな、聞いてください!」
広場を行き交う人々の中の数名が、なんだろうという感じで立ち止まりこっちを見る。
鎧を着て帯剣して、おんぶ紐で赤ちゃんを背負っている女の子はみんなには何者に映っているんだろう。
「今、この世界に、危機が、迫って、いる……みたいな?」
「おい」
うっさい、魔王黙れ。
「それで、えーと私は勇者として王様に召喚されたので、えーと……仲間が……一緒に旅する仲間が、欲しい、なぁ〜……」
立ち止まった人たちは首を傾げている。
「最後の方、多分聞こえてないぞ」
「わかってるわよ、そんなこと!」
その時、立ち止まった人たち中から一人が歩み出てきた。
もしかして最初の仲間、ゲット!?
「すいません、今なんて?」
あうー。
「だから……私……勇者……仲間……欲しい……」
「どこ原人だよ」
再び街の人。
「あの、すいません。もうちょっと大きな声で」
あーもう!
「だから!私は勇者で!一緒に旅をする仲間が欲しいの!」
人生で三番目くらいに大きな声、出た。
ちなみに二番目はデパートでお母さんに魔法少女変身セットをねだって駄々をこねたとき。一番目は生まれたときだってお母さんが言ってた。
「あ、ああー……」
立ち止まってくれた街の人たち、なんかすまなさそうにして、行っちゃった。
……もしかして、イタイ人と思われた!?
「仕方ない、もう一度だな」
「えー……」
もう無理、おうち帰る。
なんか涙が出そうです。
「おい!」
そのとき突然背後からやたら野太い声が。
「え?」
振り返るとそこには髭面で筋骨隆々といった感じの大男が立っていました。
モヒカンだったら世紀末救世主伝説に出てくる悪人Aです。
そういえばあの悪人たち、だいたい髭はきれいに剃ってるなぁ。
「お前、勇者なのか?」
「……あっはい」
あなたはもしかして伝説の戦士!……かその子孫……の友達くらい?
「この小娘が?」
ムカ。
そんなことわかってるけど、面と向かって言うことないじゃない。
「何か証拠はあるのか?」
証拠?えーとなんかあったかな?
うーん?
あ、あれがあった!
「王様と一緒に撮った写真が!召喚されたとき記念に撮ったんですよ!」
手荷物からスマホを取り出して、スイッチオン!……あれ……?スイッチオン……。
つかない……。
もしかして、充電切れですか?
「お前……さっきからなにしてるんだ?」
見てわかんないですか?絶望で泣きそうになってるんです!
「ごでにー、|じ
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