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勇者戸希乃を信じてほしい
第二話
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なんだし」

 そんなあっさり。

「いいかよく聞けよ?今は魔王軍が攻めてきているのだから戦争状態だ。そしてあいつらは敵、お前は傭兵。本来なら仕事として雇用主からそれなりの給与を得て戦うわけだが、お前みたいにあっちへフラフラこっちへフラフラ旅する身だといちいち給与を届けるのも取りに行くのも難しい。だから代わりにお前には倒した敵の所持品を奪う略奪権が与えられる」

 あ、そういえばお城で受けたレクチャーでそんなこと言ってたような……。

「傭兵なら武器や防具は元手として自前でそろえないといけないが、まあ召喚されたお前の場合は事情が特殊だから王様もその辺は配慮してくれたんだろう」

「それがこの初期装備……」

「多分それ、この世界の住人の一般的な収入で考えると数年分ってところかな?」

「ええっ、そんなに!?」

「店で買ったら金貨数十枚から数百枚。金なんて産出量はごくわずかなんだから、金貨1枚の価値だって相応になるわけだ。一般人なら金貨自体一生見ることなく過ごすかもな」

「じゃあ普通の人はどうやって買い物をしているの?」

「銀貨や青銅貨なんかのもっと額面の少ない通貨を使うか、あるいは物々交換だろ?」

「でもゲームでは大抵金貨だけで……」

「武器やら防具やらは高価だからそうなるかもな。宿代とか薬草みたいな日用雑貨を金貨で払ってるなら……」

「なら……?」

「確実に、それも盛大にぼったくられてるぞ?」

「えーっ!?」

 知りたくなかった真実。
 宿屋や道具屋のオヤジはぼったくり野郎だった!?


 そ・れ・は・さ・て・お・き


「冒険者ギルドとかがないなら、どうやって仲間を集めればいいのよ?」

「街の広場で演説でもぶって、人を募ればいいんじゃないか?」

 それ、17歳女子にはかなりハードル高いんですけど……。
 でも背に腹はかえられない、的な?



 というわけで、広場に来ました。
 この街は大きな街のようで、背後には立派な建物があります。
 なんとなく宗教建築物みたいです。

「わーすごーい、あのたてものはなにかなー」

「誤魔化すなよ。仲間を募る演説をするんだろ?」

「えー、だってー……大きな声を出すの苦手だし、人前で話すのはもっと苦手だし……」

「そんなこと言っていると、ずっと一人旅だぞ」

 一人じゃないもん。マリアさんがいるもん。
 魔王は意地悪だから数えてあげない。

 ……仕方ない。
 ここは意を決して!覚悟を決めて!清水の舞台から飛び降りるつもりで!

「早くしろ」

 くっ、魔王め……。

「あ、あの〜……」

「ちっさ!声ちっさ!」

 うるさいなぁ……。

「すい
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