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ペルソナ3[百合] 求めあう魂
前編
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させるが、今日ばかりは総力戦だ。
タルタロス最上階への道は、今はまだ閉ざされている。
エントランスにいる風花のナビでシャドウとの遭遇を避けつつ、全員で死神の出現をひたすら待ちつづける。こうしていると、タルタロス内はいつも以上に不気味に感じられた。
強敵との対決を前にみんな緊張した面持ちだったが、とりわけ美鶴の追い詰められたような厳しい表情が気になった。
「最初のころは、あいつと戦闘になると、本当に全滅するかと思った。でも最後に戦った時にはかなり持ちこたえられたし、勝てる気こそしなかったものの、それでも自分たちが強くなっているという実感は持てたんだ。あれから結構経ってるし、こちらも経験を積んでさらに力をつけてる。今度はこわがることはないよ。」
『彼女』が落ち着いた声でみんなにそう告げる。緊張した雰囲気をなんとか和らげようとしていた。なんだかんだ言って、信頼できる良いリーダーだ。
「そうだな。仮にどうしても勝てなかったとしても、以前よりは離脱に苦労はしないはずだ。無駄におびえる必要は無い。ともかく落ち着いて戦おう。」
美鶴も士気を高めようと、みんなに呼び掛けた。
「『刈り取るもの』は死の象徴なんだ。こちらが死を恐れるほど力を増す。しかしニュクス戦を前にして、命がけの私達にはもうそんなことは関係ないでしょ。だから必ず勝てるよ。」
『彼女』がそう締めくくり、その後、美鶴がフォーメーションを発表した。
前衛は切り込み隊長の真田に、耐久力のあるアイギス、多彩な攻撃のできる『彼女』、そして美鶴となった。
この4人がとりあえず前に出て戦い、残りが後衛となってバックアップ、状況次第で臨機応変に入れ替わることとした。
美鶴は自ら先頭に立って戦い、みんなの盾になろうとしている。
ゆかり は密かに、美鶴を絶対に守り切ろうと心に決めた。
「そろそろか・・・。」
真田が言ったタイミングで
【現れました。『死神シャドウ』です。】と風花から通信が入った。
全員に緊張が走る。
【前方から近づいてきています。もう間もなく接触します。みんな、頑張って!】
どこからともなく、チャリ、チャリ・・という鎖を引きずるような不気味な音が聞こえ始める。やがて通路の奥に、炎のような赤い陽炎を身にまとった『刈り取るもの』の黒い不吉な姿が現れ、滑るように急接近してきた。その姿に威圧されるが、今日は後に引くわけにはいかない。
距離のある内に、まず ゆかり が弓を引いて戦闘が開始された。
矢は一直線に 『刈り取るもの』の胸につき立ったが、死神は全くひるむことなく接近してくる。
アイギスが飛び出し機銃攻撃で牽制。真田がカエサルを呼び出し、ジオダインを放つ。
さらに美鶴がアルテミシアで氷結攻撃。同時に『彼女』がシヴァを呼びだす。
たちまち乱戦の状態になった。
死神の全体攻
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