前編
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援している。)と伝えたかった。
「俺も賛成だ。残り時間の少ない中でレベルアップするには格好の相手だ。死神相手に模擬戦とは、さすが美鶴だ。絶対に挑戦すべきだ。」
続けて真田が力強い声で言った。真田はいつも前向きでブレがない。こういうときには心強い先輩だ。
「あの・・・反対ではないんですけど・・・決戦を前に、無理をしない方が良くはないですか? 仮に倒せたとしても、誰かが怪我したりしたら逆に戦力ダウンになるし・・・。」
風花が不安げに問いかけてきた。慎重な風花らしい、もっともな意見だ。
「正直迷うところだ。山岸の言うこともよくわかる。私もさんざん考えたのだが、このままいきなり本番というのは、それこそリスクが高いと思う。負けられない戦いだからこそ、もし課題があるならば今のうちに見つけて対策を立てておくべきだろう。」
美鶴の答えを聞いて、順平がいつになく厳しい顔で口を開いた。
「まあ、あれだな。確かにこえーけど、それくらい腹をくくらないといけない状況ってことだよな。」
「そうですね。僕もそう思います。」
天田もうなずく。コロマルも勇ましく「ワン!」と吠えた。
「皆さんの決意が固まっているなら、私も全力でバックアップします。」
風花も、それを聞いて心を決めたように力強く言った。
「アイギス、お前はどうだ。」
美鶴は風花にうなずいて見せた後、発言していないアイギスにも意見を求めた。
「私はニュクスとの戦いそのものに反対でした。でも、皆さんは強い意志でそれを決めました。私は皆さんのその意思を尊重します。皆さんが決めたことであれば、私は一緒に戦い、力の及ぶ限り皆さんを守るだけです。」
アイギスが答えた。
「わかった。ありがとう。」と言った後、美鶴は全員を再度見回し、そして ゆかり に目を止めて(これでいいだろう?)と確認するようにうなずいた。ゆかり がうなずき返す。
「・・・ということだ。リーダーは君だ。決めてもらっていいか。」
美鶴が『彼女』の方を見る。あらかじめ美鶴から相談されていたのだろう。話を振られた『彼女』は迷いなく立ち上がると、ニカッと笑って見せた。
「大丈夫。みんなすごく力をつけてるんだ。確かに手強い相手だけど、今の私たちなら絶対に倒せるよ。自信を持とう。」
落ち着いた声で、力強く宣言する。
「これまで、さんざん追い回されて来たんだ。今度は思いっきりぶっ倒してやろう!」
『彼女』が声を張り上げる。全員がそれに「オー!」と応じた。
いつしか、全員の声に勢いが出てきていた。
とりあえずの目標ができて、腹が据わったようだ。
決戦までもう間が無い。死神戦の決行は、翌日の影時間ということで全員の意見が一致した。
解散後、部屋に戻ろうとしたところで、ゆかり は美鶴に呼び止められた。
「さっきは、その・・・ありがとう。
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