暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第8章:拓かれる可能性
第236話「振るえ、英雄の力」
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〈何より……今のマスターはたった一つの譲れないモノのために戦っています。その覚悟は、イリスに便乗した貴方達の比ではありません!!〉

「ぐっ……がぁっ!?」

 徐々に攻撃の勢いが増し、ついに“天使”を貫く。
 一撃だけでは終わらない。ここには無数の弾幕が飛び交っている。
 “天の鎖”が体を捕らえ、いくつもの武器が体を貫いた。
 一人、また一人と“天使”が墜ちていく。

「天地を裂け……かの王が持つ乖離剣よ!俺に、力を貸してくれ!!」

 さらに、帝はここで一手踏み込む。
 王の財宝から一つの宝具を取り出し、振りかぶる。

「“天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)”!!」

 世界を切り裂く一撃が繰り出された。
 それは、“天使”や悪神の防御の上から、彼らを呑み込む。
 世界をも切り裂く概念が、容赦なく悪神達を切り裂いていく。

「っ、ぁ、はぁっ、はぁっ……!」

「爆ぜろ、“壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)”」

 膝を付き、息を切らす悪神。
 “天使”は倒れ、悪神も確実にダメージを負っていた。
 だが、帝は油断も容赦もしない。
 剣を投影し、それを矢として打ち出し、さらに爆発させた。

「ぉおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 それも、何度も。
 投影する剣も、ただの宝具ではない。
 約束された勝利の剣(エクスカリバー)……本来、エミヤの力では投影出来ないソレを、神界ならではの無理を通して何度も投影していた。

「ッ………どうだ……!!」

 何度も撃ち込み、爆発による煙が晴れた所には、悪神が倒れていた。
 あれ程優奈が苦戦していた悪神を、帝は倒しきったのだ。

「これが……これが英雄の……“人”の力だ……!思い知ったか……!!」

 帝にとって、それは自分の力ではない。
 飽くまで借り物の力だ。
 それでも、“人”の力を思い知らせた。




















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