第8章:拓かれる可能性
第236話「振るえ、英雄の力」
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されていた。
攻撃自体は一切通じていないが、帝の弾幕によって相手の攻撃も通らない。
弾幕の範囲がそのまま“領域”となり、強い防御力を発揮していた。
「優奈ぁっ!!」
「任せな、さい!」
そして、その弾幕を足場に、優奈が跳ぶ。
瞬間移動を織り交ぜた変則的な立体機動に加え、武器を足場にする事で武器の軌道を変え、さらに弾幕による防御力が増す。
「これで……最後!!」
「っ、ぁ……!?」
雨のような武器群を足場に加速した優奈が、“負の性質”の“天使”を切り裂く。
“負の性質”による動きの遅延も、最早ないも同然だ。
そして、ついに“負の性質”を持つ“天使”は全滅する。
「くそ……!」
「そこだぁっ!!」
―――“カタストロフ・エア”
間髪入れず、悪神本人に帝の砲撃魔法が直撃する。
障壁によって防がれはしたが、それでもダメージは通っていた。
「『帝!“悪の性質”の悪神は任せたわ!私は、他を!』」
「『ああ!』」
数は減らした。
これにより、さらに帝の物量による“領域”は強くなる。
そこで、優奈は確実に“負の性質”の悪神を仕留めに掛かった。
“幽閉の性質”の悪神達もいるが、そちらは結界に囚われないように回避や牽制をするだけで充分なため、そこまで脅威ではない。
「シッ!」
「ッ……!くそっ……!」
現に、理力を込めた剣を飛ばし、妨害をしようとした悪神を阻止した。
優奈の一撃一撃は確実にダメージが入る。
そのため、牽制も容易だ。
「ッ……!ッ……!」
「くっ……!行け!」
「っ、甘い!」
帝の方も、攻勢に出れないとはいえ互角に渡り合っていた。
圧倒的物量によって牽制し、掻い潜って来た相手も上手くあしらう。
ギルガメッシュとエミヤのスペックを存分に生かし、やられないように立ち回る。
「なぜだ……なぜ、人間如きに……!」
〈……“悪”という事は、相手を貶め、討ち滅ぼす他に打倒される概念も内包されています。“正義により打倒される悪”……そんな人間の間で育まれた概念が、貴方を追い詰めているのですよ……!〉
なぜ帝に抑え込まれるのかと、悪神は狼狽える。
そこへ、エアが優奈の説明を元に分析した事を説明する。
そう。様々な物語において存在する“悪を打倒する正義”。
古今東西に存在するそんなジンクスや概念が、今帝を後押ししている。
打倒される側でしかない悪神では、どうしても不利になる。
「悪に支配される事もあれば、決して悪に負けない正義もある。……俺は正義の味方なんかじゃねぇが……好きな奴を守るくらいはできらぁ!!」
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