三十九 陽のあたらぬ場所
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絶対防御』。
【八卦掌・回天】の直撃を喰らったナル。だが諦めずに立ち上がる彼女の動向に呆れ、ネジは嘆息した。
戦意が喪失していないかどうかは、瞳を見れば明らかである。未だ強く輝いているナルの双眸に、ネジは眉を顰めた。自分を信じ切っている、いっそ眩しいほどの空の如き青が非常に苛立たしい。
特に宗家の陰でしかない自分のような日蔭者には。
「お前はもう逃げられない。この…」
ぴくりとネジの指が動いた。そのまま独特の構えをとる。見覚えのある体勢に、ナルは身構えた。
うっすら地に浮かび上がる八卦の円。
「八卦の領域からはな」
凄まじい勢いで踏み込む。一瞬で詰められる間合い。影分身をつくる暇さえ無い。
「【柔拳法・八卦―――…」
驚異的な速度で接近したネジとナルの目が合う。絡み合う視線。
追い詰められ、強張った表情を浮かべていたナルの顔が、不意に緩んだ。迎え撃つように構える。
そして同時に口を開いた。
「――――六十四掌】!!」
「――――【蛙組手】!!」
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