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俺様勇者と武闘家日記
第1部
カザーブ〜ノアニール
ミオの過去
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っと悩んでた」
ユウリの仲間になったのも運と偶然が重なっただけで、私も断られた他の冒険者と同じ目に遭ってたかもしれないのだ。最初にユウリを見たとき、言動に若干の不安を感じたが、それでも彼の仲間になれたのは本当に嬉しかった。今でも酒場のルイーダさんには感謝してもしきれない。
「あのときユウリは私を選んでくれた。私みたいにレベルの低い人なんかすぐに断ってもよかったのに、そんなことしなかった。それがすごく嬉しかったんだ。仲間にしてくれて、本当にありがとう」
私は真摯な表情で耳を傾けてくれているユウリに、自分の気持ちを込めて言った。
「今はユウリの足元にも及ばないくらい弱いけど、いつか背中を任せてもらえるくらい強くなって、一緒に魔王を倒すつもりだよ」
そこまで言って、ハッと気がついた。何バカなこといってんだ、お前には一生無理だろとか言われるんじゃないか。そう思い、おそるおそるユウリの様子を伺った。
「……はぁ」
私の予想通り、溜め息をつくユウリ。すると、端厳とした表情で私を見据えた。
「バカか。お前は俺の仲間なんだからそのくらいになるのが当たり前だろ」
「はっ、はい」
何となく怒られた気分になってしまい、つい反射的に返事をする。
けれどユウリが言った『俺の仲間』という言葉に、私は胸をギュッと掴まれるような感覚に陥った。
「それに、別に今さら決意表明されても、こっちは最初からそのつもりだったからな」
「ご、ごめん」
なんで謝ってんのか自分でもよくわからないけど、何か胸にストンと落ちた気分がした。
「ところでお前、その話他の奴らに話したのか?」
「え? いや、ユウリが初めてだよ」
「そうか」
いきなりなんでそんなことを聞くんだろう? それきり彼は黙ったままだ。
「何で?」
「別に。そういう話はまずリーダーに話すべきだからな。お前にしては利口な判断だ」
えー、そういうものかなあ? そんなルール初めて聞いたんですけど?
まあでも、本人は満足げだし、下手に余計なことを言わない方がいいか。
「そうだ。すっかり話し込んじゃった。早く家に帰らないと……」
そういって、腰を上げようとしたとき、コスモスの花がぼんやりと光り始めた。
「!? 何?」
「この気配は……?」
ユウリも判断できないらしい。私たちは、突如起きた不思議な現象に狼狽えるしかなかった。
やがて、花全体に放っていた光が一ヶ所に集まり、徐々にある形を成していく。それは人の形となり、私の記憶を鮮明に呼び起こした。
「し、師匠!?」
そう、目の前に光を帯びて現れたのは、紛れもなく師匠の姿だったのだ。

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