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俺様勇者と武闘家日記
第1部
カザーブ〜ノアニール
ミオの過去
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 どんちゃん騒ぎだった夕食がいつお開きになったのかもわからないうちに、私はいつのまにか眠っていたらしい。
 目が覚めるとラフェルさんたちの姿はなく(どうやら帰ったようだ)、我が弟妹たちとその横で酔いつぶれた様に眠っているシーラ、窓に顔を出しながら熟睡しているナギのほかには誰もいなかった。
 テーブルの上はすっかり片付いており、寝ている人たちにはそれぞれ毛布がかけられていた。
 私は肩にかけられていた毛布から抜け出し、しんと静まり返った部屋を見回した。
――あれ、ユウリがいない……?
 隣の部屋を覗いてみるも、幼い妹たちが並んで寝ているだけで、ユウリの姿はなかった。
 廊下に出てみると、明かりが一つついている。台所の方だ。
「お母さん、起きてたんだ」
 私の声に気づいたお母さんは、こちらを振り返り、ゆっくりと笑った。
「なんだい、起きちまったのかい。ま、確かにあそこじゃゆっくり寝られないか」
 そういうと、お母さんは戸棚からカップを取り出し、それに小鍋で温めておいたミルクを注いだ。
「久々に忙しかったから、一息入れようと思ってね。あんたも飲むだろ?」
 私の返事を待たず、お母さんは2つ目のカップを用意してくれた。私はミルクが注がれたカップを手に包ませ、冷ましながらゆっくりと飲んだ。
「あぁ、あったまるなぁ。なんか久しぶり、お母さんのホットミルク」
「あんたが旅立ってから、一ヶ月以上経つんだもんね」
 その言葉に、私はこの村を旅立つ前のことを思い出した。村に勇者の噂が舞い込んだあと、勇者の仲間になることを決意したあの日。最初家族は冗談かと思って誰もが笑い飛ばしてたっけ。
「お母さん、あの時私が言ったこと覚えてる?」
「ああ、確か『勇者の仲間に入って一緒に魔王を倒しに行くから!』だっけ? あの時は本当に冗談だと思ったよ」
 お母さんはどこか遠くを見つめながら言った。
「フェリオさんのところで武術の稽古をしていたときは、単に自分の身を守れるようになりたいぐらいにしか思ってなかったよ。でもまさか、魔王を倒すためだったなんてね。どうだい、ちょっとは強くなったのかい?」
 私は苦笑した。
「えーと……。まだ発展途上かな」
「そうかい、それなら安心したよ」
「? どういうこと?」
 私が首をかしげながら言うと、お母さんは私の目をまっすぐに見ていった。
「あんたの気持ちが旅立つ前と変わってないってことがわかったからさ。これからも、ユウリさんと一緒に旅を続けていくんだろ?」
 私は力強く頷いた。魔王を倒す、その気持ちだけは誰にも負けないつもりだし、変えるつもりもない。私がユウリのことを苦手だと思っていても、ユウリと旅を続けて行きたい気持ちは変わらない。
「もし家に帰りたくなったら、いつでも帰ってきな。今日みたいにご馳走作って
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