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レーヴァティン
第百四十五話 港町からその五

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「ほんまにや」
「反面教師になれないか」
「そう思うわ」
 実際にというのだ。
「うちは」
「そうなんだな」
「まあ暴君にならん」
「そう心掛けておくべきか」
「それでええやろ」
 こう言うのだった。
「大体な」
「それでいいか」
「ちなみにルネサンス期のイタリアには結構大概な君主おったみたいやな」
「ああ、それぞれの都市や領邦に分かれていてな」
「民衆を虫ケラみたいに扱う領主もおって」
 それにというのだ。
「重税を課して私腹を肥やす領主もな」
「いたんだな」
「そやからな」
「結構か」
「そや、ああはなるまいっていう領主がな」
「いたからか」
「そうした手合いを反面教師にしてな」
 そのうえでというのだ。
「やっていったらええやろ」
「そういうことか」
「そや、しかしな」
「しかし?」
「流石に北朝鮮はな」
 この国はというと。
「アホ過ぎてな」
「普通の人間には真似出来ないものがあるよな」
「自分あんな巨大な自分の銅像造りたいか」
「有名なあれだよな」
「あと色々な絵とかな」
「そういうのもあるよな」
「個人崇拝にお金使って」
 そしてというのだ。
「軍隊と将軍様個人の贅沢費で国家予算の半分近くや」
「その二つで半分近くって何だよ」
「自分はしっかりとした軍隊は持つけどな」
「あんな国家規模を考えると巨大過ぎる軍隊はな」
「持たんな」
「国家財政破綻するからな」
「軍隊は支出ばかりやしな」
「歳入ないからな」
「それに加えてや」
 さらにというのだ。
「将軍様個人の贅沢にや」
「すげえ金使ってるか」
「簡単に計算して日本の宮内庁の予算より上らしいで」
「おう、そこまで馬鹿だと清々しいな」
 久志も皮肉交じりに返した。
「何で世界第三位の経済規模の国の国家元首のお家、しかも今世界で唯一の皇室の予算より上なんだよ」
「信じられないですね」
 夕子もこう言うしかなかった。
「どうも」
「そうだよな」
「しかも世襲制の共産主義ですから」
「その国家システム自体有り得なくてな」
「しかもですね」
「日本の皇室より金使うとかな」
「有り得ないですね」
 夕子はまたこう言った。
「どう考えても」
「流石に馬鹿過ぎてな」
「真似出来ないですね」
「上には上がいるな」
 久志はまた皮肉交じりに言った、普段は皮肉を言わない彼であるが今ばかりは流石に事情が違っていた。
「よくも悪くも」
「この場合下には下では」
 夕子はこう言った。
「やはり」
「そっちか」
「少なくとも上ではないかと」
「馬鹿とかそう言ってるしな、今」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
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