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提督「……辞めたい」
第一話 提督の決断
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したのがあなたでなくもしも違う誰かだったのならば、その他の方が今のような状況になり、犠牲になっていたことも容易に想像が出来ます。……私でも毎日あのように扱われれば気が狂いそうになると思います。正直提督がいつか自殺してしまうのではないかと気が気でありませんでした」

「……いや、それは結果論で他の奴でも自殺はしn「提督ッ!!」──っ」

「……提督。どうか自覚してください。これまでの提督は他から見れば、どれほどの酷い扱いを受けていたという事実を……そして、提督の自己犠牲を見て心が張り裂けそうになるほど心配している人がいるということをっ……」
「……」
「もっと御自愛下さい。提督は少々自己評価が低すぎます。世間から見てもあなたはとても素晴らしい提督です。そして尊重に値する人間でもあるのです。確かに指揮した多くの艦娘があなたの力を認めませんでした。しかし、少なくとも私──大和。武蔵、陸奥さんや翔鶴さんはあなたのことを誰よりも認めています」
「そう、か」
「そうです」

「……」
「提督は軍を辞めますか?」
「──いや、まだ続けたいと思っている」
「ではもう一度やり直しましょう。現在の横須賀鎮守府の多くの艦娘を解体処分で一新して、新生横須賀鎮守府に生まれ変わらせましょう」

 強い意志を持った瞳で告げてくる大和の言葉に心が揺れた。

 「……」




 確かに。大和の言う通りかもしれない。今のままでは、今回の階段から突き落とされた以上のことをされ、どんどんとエスカレートしていくと思う。挙げ句には俺の命も……


 なれば、現在横須賀鎮守府に所属していて、俺へ反抗的な態度を取る多くの艦娘達を解体処分して、新しい艦娘を建造で増やし、艦隊を一新すれば良いのではないか。
 今まで俺にして来たような目に余る態度をする艦娘が他の鎮守府に異動させたとしても上手くやっていけるわけがない。
 実際、今横須賀鎮守府に所属している艦娘の多くが一緒に前任の悪虐非道な振る舞いを耐え抜いたことで生まれた仲間意識による強い絆で結ばれている。その為絶対に離れたがらないので、他の鎮守府での戦闘で連携がとれずに力を発揮できないとも予想がつく。

 だからこそ解体処分して、新規に着任した艦娘を最初から育成すれば良いのではないだろうか。

 
 大和からの提案に、今まで散々揺れ動いてきた心が融解し始める。

──何をしたって又、裏切られるだけだ

(……そんなことはない。いつか、きっと)


──もう疲れただろ? あいつらがお前に死んでほしいと思ってるように、きっとお前も心の底ではあいつらに死んでほしいと思い始めてるはずだ

(違っ……)

──なんでそこまであいつらに拘るんだ。あんな奴等、唯のバケモノだ。お前も散々身
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