第2章:奔走
第9話 『散りゆく想い』
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た洸夜は、CiRCLEの外へと出る。
すると、外のカフェテラスに紗夜の姿を見つける。
「……ごめん。待たせた……」
「良いのよ……」
そう言って、紗夜は立ち上がる。
2人は言葉を交わすことなく、帰路に着く。
そしてCiRCLEからある程度歩いたところで、洸夜が紗夜に問い掛ける。
「結局のところ……紗夜はどうなんだ?」
「……何が?」
「???バンドの件」
それを聞いた紗夜は、思わず前を見据えたまま尋ねる洸夜の方を向く。
「……湊さんには……失望したわ!」
「それは分かった。そうじゃなくて、お前はあの場所???Roseliaでバンドを続けたいかどうかだ」
そう言った洸夜は、Roseliaの練習を記したノートを取り出す。
「短期間とは言え、ここまで伸びるのは凄いんだがな……」
開いたノートをパッと閉じながら、洸夜は呟く。
「でも、あの人は私達のことを……洸夜を含めて道具としてしか見ていなかったじゃない」
「ああ、残念ながら。本人もそれをどことなく肯定することを発っしちまってる」
「……やっぱり」
「だが???」
そう言って、洸夜は言葉を続ける。
「あいつがあのバンド……Roseliaにかけていた情熱もまた本物だった」
俯いた洸夜は、右の平を固く握る。
「だから、俺はあのバンドを解散させたくなかった……」
「洸夜……」
「分かってる……湊の奴があの調子なんじゃ、再建は不可能だってことは」
でも、と言って洸夜は続ける。
「俺は、皆んなの意思を聞きたい。皆んながどう思っているのか」
そう言って、洸夜は立ち止まる。
「だから紗夜、答えてくれ。お前が本当はどうしたいのか」
「私は???」
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