第2章:奔走
第9話 『散りゆく想い』
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移動する。
そして、楽器類を準備していると練習開始時間を迎える。
しかし、友希那、燐子、あこの3人が未だに到着していなかった。
「遅いな……3人とも」
「……何かあったのかな?」
洸夜の言葉に、リサが不安そうに答える。
そして、予定開始時刻の15分後に友希那がスタジオ入りした。
「ごめんなさい……遅くなってしまったわ」
「いえ。しかし湊さんが遅刻なんて珍しいですね」
そう言葉を交わす2人の横で、洸夜は何か違和感を感じていた。
「……?」
「どうかしたの?」
「いや……なんでもない」
リサに尋ねられた洸夜だったが、即座にはぐらかす。
そんな感じで友希那の到着から15分後、燐子とあこがスタジオ入りした。
「遅くなりました!」
「2人とも、遅過ぎます」
息を切らせながら入ってくる2人。
そんな2人に対して紗夜が注意する。
「……30分の遅刻よ、やる気あるの?」
「「ごめんなさいっ!」」
謝罪する2人の傍らで、リサは笑う。
「いや〜珍しいこともあるもんだねっ」
「いいから早く準備してください。ロスした分を取り戻さなくては」
茶々を入れるリサの横で、紗夜が2人に指示を出す。
(友希那さん……)
(この感じだと……皆にはさっきのこと……話してない?)
「……?」
何やらソワソワしている2人に、洸夜は違和感を覚える。
(りんりん……これって???)
「……なんかあったのか?」
そんな2人を見て、洸夜は思わず呟くのだった。
「なーに辛気くさい顔していんのっ? 紗夜せんせいが怒るなんていつものことじゃーん!」
「もうっ! 今井さん!」
「紗夜、取り敢えず落ち着こう」
紗夜を制する洸夜は、流し目で2人の方を見る。
「ええ……兎に角、まじめにやってコンテストは刻一刻と近づいてるよ」
「はあ〜い」
紗夜の言葉に返事を返すリサ。
「……りんりん」
「……あこちゃん」
未だに困っている2人を残し、他の3人は演奏の準備を終える。
「「…………」」
周囲がその状態になっても、2人は準備にすら取りかからなかった。
「どうしたの二人とも? ……?」
そんな2人に、リサが問い掛ける。
「やる気がないなら帰???」
「あ、あのっ! あこ……見ちゃったの!」
注意しかけた友希那を遮り、あこがそう告げた。
「……何をですか?」
「あ、あこちゃん……」
対して紗夜は、少し呆れた様子で耳を傾け、燐子は不安そうな声をあげるのだった。
「友希那さんが……スーツの女の人とホテルで……話してて……」
「……!?」
その言葉を書いた友希那は、
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