第2章:奔走
第9話 『散りゆく想い』
[2/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
のだった???
日が沈みかけている時間帯。
洸夜は日菜と共に帰路に着いていた。
そんな洸夜は、徐に携帯を開く。
すると、そこには不在着信の通知が出ていた。
「おっと……?」
「ねえ?」
洸夜は折り返しで電話をしようとした時、日菜が突然洸夜へと尋ねる。
「なんだ?」
「どうだった?」
「……何がだ?」
「私達の演奏」
そうだな、と言って洸夜は口を開く。
「悪くはないんだが……何か足りない感じがしたな」
「足りない?」
首を傾げる日菜に対し、洸夜はゆっくりと頷く。
「ああ。なんだろう、その音楽に対する熱意みたいなのが足りない気がした……」
「そっか〜」
「まあ、そんなところ。あとの部分に関しては、殆ど初心者だって言うなら文句はないね」
そんな会話をしているうちに、2人は家の前に到着していた。
「「ただいま」」
中へ入った2人は、声を揃えてそう告げる。
「???こんな時間まで何してたのかしら?」
「……おま、ここで待ってたのか?」
間髪入れずに現れた紗夜に、洸夜は思わずそんなことを尋ねる。
「それはどうでもいいでしょ。で、何してたの?」
「俺は人助けを……」
「私はちょっと知り合いと……」
ふーん、と紗夜は怪訝そうに2人を見た後踵を返す。
「……早く夕飯を食べなさい。お母さんが困ってたわ」
「はいよ……」
リビングに入る紗夜の背中を見送った洸夜は、靴を脱ぐと階段へと向かう。
日菜もまた、靴を脱ぎ彼に続いて階段へと向かう。
階段を登っていると、日菜が洸夜にこんな提案をする。
「お兄ちゃん、一緒にご飯食べよ!」
「はいはい。なら、俺は少しやることがあるからちょっとしたら呼びに来てくれ」
「はーい」
自室に入った洸夜は、荷物を置くと携帯を取り出し電話をかける。
言葉を交わすと、2人は互いに自室へと入る。
「さてと……」
自室に入った洸夜は、荷物を置くと携帯を取り出し電話をかける。
数コールの後、電話が繋がる。
『……もしもし?』
「もしもし。祐治?」
洸夜が電話を掛けたのは、祐治だった。
『当たり前だ……って、電話してか理由は』
「お前から入ってた電話の折り返し」
『やっぱりか』
分かり切っていた、と言う様子で祐治は言葉を返す。
「で、何の用だ?」
『ああ。明日練習あるから来いよってことを伝えたくてな』
「OK。何時から何処?」
『9時にCiRCLEだ』
「お兄ちゃーん!」
祐治が答えた直後、部屋の外から日菜の呼ぶ声が届く。
「おっと。呼ばれてしまったみたいだ」
『早く行ってやれよ』
「ん、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ