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その日、全てが始まった
第2章:奔走
第9話 『散りゆく想い』
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のだった???





 日が沈みかけている時間帯。
 洸夜は日菜と共に帰路に着いていた。
 そんな洸夜は、徐に携帯を開く。
 すると、そこには不在着信の通知が出ていた。

「おっと……?」
「ねえ?」

 洸夜は折り返しで電話をしようとした時、日菜が突然洸夜へと尋ねる。

「なんだ?」
「どうだった?」
「……何がだ?」
「私達の演奏」

 そうだな、と言って洸夜は口を開く。

「悪くはないんだが……何か足りない感じがしたな」
「足りない?」

 首を傾げる日菜に対し、洸夜はゆっくりと頷く。

「ああ。なんだろう、その音楽に対する熱意みたいなのが足りない気がした……」
「そっか〜」
「まあ、そんなところ。あとの部分に関しては、殆ど初心者だって言うなら文句はないね」

 そんな会話をしているうちに、2人は家の前に到着していた。

「「ただいま」」

 中へ入った2人は、声を揃えてそう告げる。

「???こんな時間まで何してたのかしら?」
「……おま、ここで待ってたのか?」

 間髪入れずに現れた紗夜に、洸夜は思わずそんなことを尋ねる。

「それはどうでもいいでしょ。で、何してたの?」
「俺は人助けを……」
「私はちょっと知り合いと……」

 ふーん、と紗夜は怪訝そうに2人を見た後踵を返す。

「……早く夕飯を食べなさい。お母さんが困ってたわ」
「はいよ……」

 リビングに入る紗夜の背中を見送った洸夜は、靴を脱ぐと階段へと向かう。
 日菜もまた、靴を脱ぎ彼に続いて階段へと向かう。
 階段を登っていると、日菜が洸夜にこんな提案をする。

「お兄ちゃん、一緒にご飯食べよ!」
「はいはい。なら、俺は少しやることがあるからちょっとしたら呼びに来てくれ」
「はーい」

 自室に入った洸夜は、荷物を置くと携帯を取り出し電話をかける。
 言葉を交わすと、2人は互いに自室へと入る。

「さてと……」

 自室に入った洸夜は、荷物を置くと携帯を取り出し電話をかける。
 数コールの後、電話が繋がる。

『……もしもし?』
「もしもし。祐治?」

 洸夜が電話を掛けたのは、祐治だった。

『当たり前だ……って、電話してか理由は』
「お前から入ってた電話の折り返し」
『やっぱりか』

 分かり切っていた、と言う様子で祐治は言葉を返す。

「で、何の用だ?」
『ああ。明日練習あるから来いよってことを伝えたくてな』
「OK。何時から何処?」
『9時にCiRCLEだ』
「お兄ちゃーん!」

 祐治が答えた直後、部屋の外から日菜の呼ぶ声が届く。

「おっと。呼ばれてしまったみたいだ」
『早く行ってやれよ』
「ん、
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