第8章:拓かれる可能性
第238話「足掻け、限界を超えろ」
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。
「(堅い……!)」
「白兵戦はこちらも得意分野ですよ?」
サーラの渾身の一撃を、祈梨は障壁で軽々と受け止める。
さらにユーリの魔力弾が追撃で迫るが、それでも破れなかった。
「くっ……!」
「貴女は私が知る中でも相当堅実な強さを持っています。……ですが、それ故にどうしても“想定外の戦法”と言うのが使えません」
「ッ……!」
槍でサーラの剣と渡り合いながら、祈梨はそう告げる。
……そう。それはサーラの強みであり、同時に弱点でもある。
サーラはユーリのような無限の魔力や、優輝の導王流や創造魔法、緋雪の破壊の瞳と言った、特殊な力というものが存在しない。
魔力も、それに見合った戦闘技術も相当高い。だが、それだけだ。
特殊性を利用した突破方法などは取れず、どうしてもゴリ押しになってしまう。
言わば、サーラは器用貧乏なのだ。
万能ではあるが、突出していない。
……だからこそ、祈梨の防御を突破出来ない。
「はぁっ!!」
「無駄ですよ」
「『ユーリ!』」
「『はい!』」
理力の砲撃を一閃によって弾き、再度攻撃を試みる。
やはりあっさりと受け止められるが、それはサーラも分かっていた。
間髪入れずに移動魔法で背後に回り込み、入れ替わるようにユーリの砲撃魔法が祈梨の障壁を呑み込む。
「っ……なるほど。同じ魔力であれば、危うかったですね……」
「……撃墜されましたか……」
……だが、今度は待機していた理力の塊がユーリの砲撃を相殺していた。
背後に回ったサーラも障壁で止められ、反撃を躱していた。
「ならば、これはどうです!?」
「させませんよ」
「私は眼中にないとは言わせませんよ……!」
次の攻撃に移ろうとするユーリを、祈梨は止めようとする。
それを逆にサーラがバインドで阻止しようとする。
「無駄だと、そう言っているはずですが?」
「……それはどうでしょうか?」
だが、バインドは弾かれ、追撃も障壁に阻まれる。
それでも、サーラは不敵な笑みを浮かべた。
「っ、どこに……!」
「確かに私は器用貧乏でしょう。……だが!それ故に何事もそつなくこなすのが私です!私は、ユーリの騎士なのですから……!」
サーラは遠隔魔法でユーリを転移させていた。
バインドの魔力が炸裂した事による煙幕でユーリを隠し、その時に転移させた。
これによって、ユーリの魔法発動までの時間は稼いだ。
「ならば、貴女から……!」
「やれるものなら……!」
サーラの魔力がアロンダイトに集束する。
砲撃魔法や魔力弾を封印し、その分の魔力リソースを剣に注
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