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レーヴァティン
第百四十四話 リスボン掌握その六
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「攻め上がるのはな」
「主力でなくていいのね」
「ああ、源三とも話したけれどな」
 軍師役の一人でありこの戦略を出した彼ともというのだ。
「やっぱりな」
「敵の水軍を造らせない」
「それが第一でな」
「攻め上がることはその次ね」
「ああ、そっちは陽動でいいさ」
 マドリードを目指してもというのだ。
「別にな」
「そういうことね」
「十万あれば」
 率いる軍勢がというのだ。
「それならな」
「いいのね」
「ああ、俺達は十万を率いてマドリードまで攻め上がって」 
 そしてとだ、久志はさらに話した。
「道中出会う敵はな」
「出来る限り倒していかない様にして」
「こっちに引き入れていくんだよ」
 これまで通りそうしていくというのだ。
「そういうことでな」
「いつも通りね、本当に」
「そしてそのいつも通りがだろ」
「ええ、結果としていいと思うわ」
「戦って勝つよりも降した方が楽だからな」
 軍勢の損害を出さずそして敵だった者達もそのままこちらに加わる、その方が労苦も犠牲も少なくて済むというのだ。
「そうするぜ」
「それじゃあね」
「まずはリスボンを手に入れて」
「カルタヘナやバルセロナも」
「手に入れていくな」
 こう双葉に話した。
「これから」
「そうしていくわね」
「一つ一つな、しかし」
 ここで久志はこんなことも言った。
「連合王国って二つの王国が合わさって出来たよな」
「ええ、そうよ」
 双葉はその通りだと答えた。
「軸はね」
「そこには」
「半島の西の王国もあったけれど」
「その国もか」
「そこの王様が亡くなって」
 そしてとだ、双葉は久志に連合王国の事情も話した。
「そして跡継ぎがいなくなったけれど」
「連合王国の王様が親戚でか」
「それでその国の王様にもなったのよ」
「そういうことか」
「この浮島じゃよくある話でしょ」
「ああ、その国や領土の直系が絶えたらな」
 その場合のことは久志もわかっている、この世界での歳月のこととはいえこの浮島にいて結構経つからだ。
「それでな」
「親戚の人が継ぐわよね」
「血が近かったりな」
「あと家柄や力関係もあって」
「跡を継ぐよな」
「それでよ」
 こうした諸事情があってというのだ。
「西の王国の王位はね」
「連合王国の王様が継いでか」
「それで西の王国は事実上ね」
「連合王国に入っているんだな」
「半島全体がね」
「成程な」
「つまり婚姻でね」
 この行為この場合正確に言えば政策でというのだ。
「連合王国は三つの国が一つになった」
「そうした国か」
「そういうことよ」
「成程な、それじゃあリスボンもか」
「かつては王都だったのよ」
「そういうことだな」
「それでそのリスボ
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