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雲に隠れた月は朧げに聖なる光を放つ
第十三話 ライセン大迷宮
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光となって天へと消えていった。

「さて‥‥‥行くか。なんか奥の壁が光ってるし」

俺は奥の壁に指を指し、そのまま歩き始めた。手にはミレディゴーレムの核の欠片を握りしめながら‥‥‥。



くぐり抜けた壁の向こうには……



「やっほー、さっきぶり! ミレディちゃんだよ!」

「は?」

「どうしたの、コウ‥‥‥え?」

「‥‥‥やれやれ」

「「「はあ?」」」

「ええ?!なんですかこれぇ!」

「シア‥‥‥でも不思議ね」 

「‥‥‥‥‥‥‥」

ミレディが非常に軽い感じで話しかけてきた。うざったいが。


「あれぇ? あれぇ? テンション低いよぉ〜? もっと驚いてもいいんだよぉ〜? あっ、それとも驚きすぎても言葉が出ないとか? だったら、ドッキリ大成功ぉ〜だね☆」

ちっこいミレディ・ゴーレムは、巨体版と異なり人間らしいデザインだ。華奢なボディに乳白色の長いローブを身に纏い、白い仮面を付けている。ニコちゃんマークなところが微妙に腹立たしい。そんなミニ・ミレディは、語尾にキラッ! と星が瞬かせながら、俺たちの眼前までやってくる。

「……さっきのは?」

「ん〜? さっき? あぁ、もしかして消えちゃったと思った? ないな〜い! そんなことあるわけないよぉ〜!」

ビキッ

青筋量産開始。

「光が昇って消えていったよな?」

「ふふふ、中々よかったでしょう? あの演出=I やだ、ミレディちゃん役者の才能まであるなんて! 恐ろしい子!」

ビキッビキッビキッビキッビキッビキッ

テンション上がりまくりのミニ・ミレディ。比例してウザさまでうなぎ上りだ。俺は外していた仮面を今一度付けた。

ザッ ガチャッ

もちろん無言で。威圧しながら。

「え、え〜と……」

なんか話しているが気にしない。ゆらゆら揺れながら迫る。

「‥‥テヘ、ペロ☆」

「‥‥‥‥‥‥‥」

ブチンッ!

「ああ‥‥‥みんな下がって」

聖が俺以外の人を一歩下げた。

ガシッ

頭を掴む。

「‥‥‥流石にキレた」

「ま、待って! ちょっと待って! このボディは貧弱なのぉ! これ壊れたら本気でマズイからぁ! 落ち着いてぇ! 謝るからぁ!」

メキメキメキメキメキメキ

「このまま愉快なデザインになりたくなきゃ、さっさとお前の神代魔法をよこせ」

「あのぉ〜、言動が完全に悪役だと気づいてッ『メキメキメキ』了解であります! 直ぐに渡すであります! だからストープ! これ以上は、ホントに壊れちゃう!」

「‥‥‥はあ‥‥まったく」

俺はミレディを下にポイッ。

「あうっ!?もうオーくんしっかり教育してよぉ〜」


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