第十三話 ライセン大迷宮
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らわせるために、拳に全エネルギーを集める。
「くぅ‥‥‥でも、拳でアザンチウムを貫通するのは‥‥‥!」
「その慢心が命取りだって気がつけや」
ドガァァァァァァア!!!!
バキイッ!!
「‥‥‥そんな‥‥なんで」
「‥‥‥全てのエネルギーを拳に詰めれば、それだけ拳は固く、鋭くなる。それに加え、腰の回転、拳の螺旋回転、体重移動、位置エネルギー‥‥‥全てが正確に拳に乗ったとき、生身の拳でも岩ぐらいなら砕けるのさ」
「はは‥‥なんて戦闘センス‥‥‥」
その言葉を発した直後、ミレディゴーレムは後ろに倒れ、目の光が消え去った。
「‥‥‥」
ゲシッ
ミレディの身体を蹴って後ろに下がる。
クルンッ スタッ
さらに宙に浮き、一回転して地面に降り立った。
「コウ!」
「ん?聖か」
どうやら親玉を撃破したことで他のゴーレム騎士も消え去ったらしい。見れば全員が駆け寄ってくるのが見えた。
「ミレディ‥‥‥」
オスカーが少し悲しそうな目で見る。
「はは‥‥‥思った以上に強かったよ」
「なんかすまないな、オスカー‥‥‥」
「いや、いいんだよ‥‥‥いいんだ」
「ちょっとぉ‥‥‥そんな目で見ないでよぉ‥‥」
少しずつ弱々しくなっていくミレディの声。それを悲しそうに見つめるオスカー。
「最後で悪いんだが‥‥‥他の迷宮の場所を教えてほしい。失伝していて、ほとんどわかっていないんだ」
「あぁ、そうなんだ……そっか、迷宮の場所がわからなくなるほど……長い時が経ったんだね……うん、場所……場所はね……」
ミレディは、ポツリポツリと残りの七大迷宮の所在を語っていく。中には驚くような場所にあるようだ。
「以上だよ……頑張ってね」
「ああ‥‥‥ありがとうな」
「君たちなら、神殺しもできそう‥‥‥かな。そんな気がするよ‥‥‥」
「‥‥‥まあ、番人に任せろや。必ずクソ野郎共を片付けてやるからな。まあ、俺の思ったように行動するとは思うけど‥‥」
「ふふ……それでいい……君は君の思った通りに生きればいい…………君の選択が……きっと…………この世界にとっての……最良だから……」
いつしか、ミレディ・ゴーレムの体は燐光のような青白い光に包まれていた。その光が蛍火の如く、淡い小さな光となって天へと登っていく。死した魂が天へと召されていくようだ。とても、とても神秘的な光景である。
「‥‥‥必ず、あの世にクソ野郎共を叩き落としてやる。それを楽しみにしてくれ」
「うん‥‥楽しみに、してるよ。……さて、時間の……ようだね……君達のこれからが……自由な意志の下に……あらんことを……」
その言葉を最後に、ミレディは淡い
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