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雲に隠れた月は朧げに聖なる光を放つ
第十三話 ライセン大迷宮
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カチッ

キィィィィィィィィィィィィィィ‥‥‥!

カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン!!

「‥‥‥‥やはり」

「いやぁ〜大したもんだねぇ、ちょっとヒヤっとしたよぉ」

ミレディゴーレムの銀色の鎧は難なく突破したようだが、その下にあった黒い鎧は無傷だ。ここまで恐ろしい硬度のものは、一つしかありえない。

「……アザンチウムか」

アザンチウム鉱石は、俺の装備の幾つかにも使われている世界最高硬度を誇る鉱石だ。薄くコーティングする程度でもドンナーやツェリスカの最大威力を耐え凌ぐ。道理で、傷一つつかないわけである。あのアザンチウム装甲を破るのは至難の業だ。

「いや、待てよ‥‥‥弾丸より拳の方が‥‥」

脳筋思考だが、それが最善だと思ってしまった。思ったら行動だ。

「んん?それもしまっちゃうのぉ?」

「いらねえわ」

「ふ〜ん?でもそれじゃあ装甲の突破は困難だよぉ?」

「フフフ‥‥‥だと思うだろ?」

「‥‥‥なんなのさ。その笑いは」

「さあな?フフフ‥‥‥」

「気に食わないなあ‥‥‥これで砕け散りな!!」

ミレディが赤熱化した右手を振り下ろして来た。俺はそれをギリギリで避ける。

「フフフ、ギリギリじゃないか。当たるのも時間の問題だよぉ?」

「どうだろうな?」

その後も拳を振るうミレディ。それを俺はすべてギリギリで避ける。途中からモーニングスターも使ってくるが、気にしない。すべてギリギリで避けた。

「ムムム‥‥‥ムカつくなあ」

「してやったり、とでも言っとこうか?」

「ムキーッ!!」

滅茶苦茶に拳とモーニングスターを振るうミレディ。やはりギリギリで避ける。

「‥‥‥こんなもんでいいかな」

ボソリと一言。そして‥‥‥。

「ドリャア!!」

「セイッ!!」

振り下ろした拳を初めて迎え撃った。

バギィ!!

「なっ‥‥!?」

驚いた声を上げるミレディ。ミレディの拳は木っ端微塵に砕けていたからだろう。

「わざわざ強化してくれてありがとうな」

「強化‥‥‥?そんなことは‥‥」

「‥‥‥随分と美味しい"風"だったぜ?」

「風‥‥‥? ‥‥!? まさか!」

「風を全部取り込んだのさ。わざわざ強化ご苦労さん」

「う、ウザい‥‥‥‥」

「お前が言うなよ‥‥“時空破断”」

呆れながらも俺は時空を歪めた。

ビキッ‥‥‥

「なな!? 装甲が!?」

「流石に時空を歪められたら保たないらしいな。アザンチウムも」

「な、なんて恐ろしい‥‥‥」

「さて、チェックメイトだ」

そして飛び上がる。トドメの一撃を食
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