第百四十三話 皇帝の降伏勧告その十三
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「次は」
「あそこな」
リスボンと聞いてだ、美奈代は久志に話した。
「この街から陸路で行くよりもな」
「セビーリャからか」
「そや、この浮島のセビーリャは実は起きた世界ではマラガに近い」
この街のところにあるというのだ。
「それでこの浮島のマラガがセビーリャになってる」
「名前が入れ替わってるな」
「そのマラガも手に入れたけどな」
「そこからリスボンへ陸路もあるな」
「あるけどな」
それでもというのだ。
「あの街は港町やからな」
「ああ、セビーリャと同じか」
「そやから攻めるんやったら」
「陸よりもか」
「陸と一緒にな」
「湖からもか」
「攻めるとええわ、あの街を手に入れたら」
リスボン、この街をというのだ。
「連合王国の南部だけやなくてな」
「南西部もか」
「手に入るで」
「だから俺も次はセビーリャだって思ってるけれどな」
「それで攻めるんやったらな」
それならというのだ。
「陸もええが」
「湖からもか」
「そうしたらええわ、あとバレンシアも攻めるやろ」
「まあやがてはな」
「あの街もな」
「湖からも攻めるといいか」
「使えるもんは全部使う」
美奈代はここでこの言葉も出した。
「それが政であり戦やろ」
「ああ、折角強い水軍持ってるしな」
「ほなその水軍を使ってな」
「しかも敵の水軍はセビーリャ沖の戦いでかなり叩いたしな」
この湖戦でというのだ。
「今は連合王国の制湖権はこっちのものだしな」
「そやったらな」
ここはというのだ。
「ええな」
「ああ、水軍も使うな」
「ではリスボンに向かう」
芳直がここで言ってきた。
「俺っちがな」
「ああ、頼むな」
「そうして湖からも攻める」
「そういうことでな」
「やらせてもらう」
「宜しくな、さてじゃあ俺は」
久志はさらに言った。
「使者を送る用意もするか」
「そのリスボンにだな」
「連合王国の王様も王族もな」
彼等のことも話した。
「そのままでいいんだよ」
「王としていてもいいな」
「俺は皇帝だからな」
だからだというのだ。
「皇帝は王を任命出来るんだ」
「王が国の中にいてもだな」
「いいからな」
だからだというのだ。
「その地位もな」
「約束するな」
「ああ」
実際にというのだ。
「そうしてな」
「そのうえでか」
「降る様に言うな」
「使者も送るか」
「軍勢だけでなくな」
こう言ってだった、そのうえで。
久志はセビーリャから勢力を拡大させつつリスボンにも軍勢だけでなく使者も送ることにした、その使者は。
順一に対してだ、久志は笑顔で告げた。
「頼むな」
「はい、リスボンへの使者をですね」
「是非な、やっぱりな」
「戦わずに済
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