074話 記憶巡り編 とある視点で見る記憶 その1
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
このとき、わたしは不謹慎かもしれないけど、士郎さんはもしかしたら切嗣さんの呪いを引き継いでしまったんじゃないかと思った。
おそらく、あの大火災の原因の一端に切嗣さんは関わっているだろうし、なかなか魔術を教えなかったのも、巻き込んではいけないと思ったからであって、それでも切嗣さんの表情はもうとても穏やかで、士郎さんは続けるようにこう言ってしまった。
『まかせろって、爺さんの夢は俺がちゃんと形にしてやるから!』
『……ああ、安心した』
そして切嗣さんは安心するように永眠。
「育ての父親がこうも……」
「はい……。僕はまだお父さんが生きていると思えるから頑張れますのに……士郎さんは……」
ユエ吉とネギ君がなにかを感じ取ったのか涙を流している。
一同がそれで悲しい雰囲気に包まれているそんな中で再びわたしは不謹慎かもしれないけど、呪い引き継ぎイベント突破ーーーーーッ!!
しかも切嗣さんは大火災の真相を一切合切士郎さんには教えずに闇に葬っちゃった!?
これで士郎さんは必ず『正義の味方』にならないといけないというある意味生きる指針が心に刻まれてしまったーーー!!
人のためにあれという歪な主人公の誕生の産声だ!!
さぁって、チュートリアルはこれで終了かしら!?
まだだ、まだ士郎さんが魔術の世界に入っていくフラグメントが足りない!
まだこれではよくて正義の味方になるとしても警察官か消防士になるのが関の山だろう。
なにか、なにかが起こる予感がする…。
きっとまだ続きが描かれていくはずよ。
焦るな、ハルナ。まだイリヤさんやランサーさんですら登場していないんだよ!?
こういう焦らしプレーはお手のもんでしょ! 今はまだ士郎さんの日常ライフでも見ていようじゃないか!
口角が少しずつ上に上がっていく感覚があるのをなんとか必死に我慢しながらも、わたし達は次の展開に移行していくのである。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ