東方
ライヒスタークに赤旗をA〜伊吹萃香のため息〜
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「妖怪を中心に攻めなさい!」
人類統合体の米国系軍隊はある意味厄介で、ある意味与しやすい。
確かに彼らは最新鋭の装備と練度を持ちつつ物量でも圧倒してくる厄介な存在だ。
しかし、新興国家の泣き所か対妖怪の備えが一番弱いことでも知られていた。
「待って、咲夜!」
勝手に指示を出す咲夜を止めようとするも、命令が伝わった妖怪たちは進撃してしまった。
萃香はさきほどから嫌な予感が止まらないのである。
もう少し様子を見るはずが咲夜のせいで全面侵攻することになってしまった。
「敵は米国系人類統合体。そして敵将は突撃に強い猛将パットン。先手を打った方がよろしいのでは?」
「だからと言って勝手に指示を出すのは許さない。レミリアには報告しておくからな」
「っ!?」
親の仇を見るかのように咲夜は睨んできたが、涼しい顔で萃香は無視した。
だが、確かに咲夜の見立ては悪くない。
米国系なら妖怪に弱いし、パットンの突撃を受けるのも厄介だ。
先手先手で打ち続けるのは確かに悪くないのだが……。
戦況が変わったのは一つの報告だった。
「伝令! 先手のロコソフスキー大将が討ち取られました!」
「馬鹿な!?」
場が騒然とする。彼は古参の大妖怪である。戦車ごときにやられるほど軟な存在ではない。
萃香一人だけが冷静だった。そして続報を聞きやはりかとため息をつく。
「どうやらバチカンからの援軍が隠れていたようです」
――最悪の知らせだった。
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