第十一話 番人の特権と戦闘訓練
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に回避を続けた。
「“閃光迅雷”!」
ちょっとだけイレギュラーな攻撃を後退しながら行使する。俺の詠唱によって辺りが光に包まれ、シアには電撃が走った。
「アバババババババババ!?」
「隙有り!!」
バックステップから踏み出し、シアに突貫する。すると、ニヤリとシアが笑った。
「待ってました!ですぅ!!」
突貫した俺に向かって、シアは手刀を繰り出して来た。
「チッ!」
俺は手刀を弾く。その次の瞬間‥‥‥。
ドガア!!
やけに音が響いた。見ればシアの拳が俺の腹に刺さっている。
「‥‥‥“報復氷結”」
「ふぇ! ちょっ、まっ!」
問答無用。シアは手から凍りついていった。そのまま全身を氷が包み、やがて頭だけ残してシアを氷漬けにした。
「づ、づめたいぃ〜、早く解いてくださいよぉ〜、コウさ〜ん」
「はは、悪いな。だが、いい一撃だったぞ」
「ほ、褒めるのはいいですから魔法解いてくださいよぉ〜。さっきから寒くて寒くて……あれっ、何か眠くなってきたような……」
鼻水を垂らしながら、うつらうつらとし始めるシア。寝たら死ぬぞ!の状態になりつつある。とりあえず魔法を解いてあげる。
「ぴくちっ! ぴくちぃ! あうぅ、寒かったですぅ。危うく帰らぬウサギになるところでした」
可愛らしいくしゃみをし、近くの葉っぱでチーン! と鼻をかむシア。
「いやゴメンて。でもお前、合格だわ」
「ふぇ?本当ですか?」
「後はユエと聖次第だが‥‥俺は構わない」
「ホントですか!? やっぱり、や〜めたぁとかなしですよぉ! ちゃんと援護して下さいよ!」
「分かってるよ」
思わず苦笑しながらそう告げる。
「僕も着いてくるのは構わないよ」
「オスカーさん‥‥ありがとうございます!」
オスカーにも感謝をするシア。
そろそろ時間的にはハウリア族への訓練も終わる頃だ。俺は二人を連れて拠点まで戻った。
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俺たちがハジメのもとへ到着したとき、ハジメは腕を組んで近くの樹にもたれたまま瞑目しているところだった。
気配に気が付いたのか、ハジメはゆっくり目を開けると俺たちの姿を視界に収めた。
ハジメは片手を上げて声をかけてきた。
「よっ、お疲れ様」
「おう」
「ハジメさん! ハジメさん! 聞いて下さい! 私、遂にコウさんに勝ちましたよ! 大勝利ですよ! いや〜、ハジメさんにもお見せしたかったですよぉ〜、私の華麗な戦いぶりを!」
「はあ?勝ったって‥‥‥」
「なんだかんだで未強化時のお前の六割ぐらいの力だぞ?少し油断したらいいの一発もらった。一撃与えたらこいつ
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