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雲に隠れた月は朧げに聖なる光を放つ
第十一話 番人の特権と戦闘訓練
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は、何者かに暗殺されたとされています。ただ一人、時を止める能力を持ったものだけは生き残り、今もどこかでひっそりと暮らしているとか」

「‥‥‥存命してるんだ」

「ひとまず、本国の方まで参りましょう。私一人の考えではお通しできない可能性がありますので」

「了解だ。そんじゃあさっさと行くか」

俺は虎の亜人に出発を促し、歩き始めるのだった‥‥。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「‥‥‥ふむ、それじゃあ君たちが番人の能力を持った者なのか?」

「そうだ」

俺は現在、亜人族の住む街であるフェアベルゲンにて長老たちと話しをしていた。

「証拠は示せるか?」

「プレートでいいかな。俺の能力は示すのが難しいんだわ」

そう言いながらポイッとプレートを投げ渡した。

「ふむ‥‥‥?!これは‥‥‥」

それぞれの長老が驚愕した顔になる。そして‥‥‥。

「‥‥ようこそ、番人様の御子息様よ」

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥おう」

「我々は、敬意を持って貴方様を歓迎させていただきます。お望みも叶えましょう。我々の同胞から遣いを出しますので、そのものにお従いください」

「ん?ハウリアに案内してもらうつもりだったんだが‥‥‥‥」

「ハウリア族に案内してもらえるとは思わないことです。そいつらは罪人。フェアベルゲンの掟に基づいて裁きを与えます。何があって同道していたのか知りませんが、ここでお別れです。忌まわしき魔物の性質を持つ子とそれを匿った罪。フェアベルゲンを危険に晒したも同然なのです。既に長老会議で処刑処分が下っております」

「‥‥俺も魔力を操作できるのに、そいつらは始末するのか」

「貴方様は特別なお方です。お話を聞いたところ、お仲間にも番人様の御子息がいらっしゃるとか‥‥‥」

「ぶっちゃけ言えば俺ら全員魔力を直接操れるんだわ。普通なら俺ら全員処刑するのが筋だろ?」

「何度も言いますが、貴方様とそのお仲間は特別なお方です。それに、言い伝えで歓迎せよともありますので」

「‥‥‥‥一つだけ聞こう。お前たち、差別は嫌いか?」

「??もちろんですが‥‥‥」

「‥‥‥で、お前たちが今してることは、差別って気がついてるか?」

「?!!」

「俺は差別を許さない。かつて差別に近い扱いをされてたからな」

「差別‥‥‥?」

「話そう。俺の過去をな」

そうして俺は語りだす。虐げられ、それでも生きなければならない毎日。数々の暴行。最愛だった者の死。崩壊。暴走。

「‥‥以上だ。俺にとっては、ハウリアも大切な存在だ。それを差別し、さらには殺すと言うのなら‥‥‥俺は多分暴走するな」

しんみりとした空気に容赦なく爆弾を放り込む。

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