第八話 脱出とウサミミ
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み込んで錬成のやり方を教えてもらったのだ。結果、並の錬成師より出来の良いものが作れるようになり、極限まで集中していたからか、知覚能力を限界まで引き上げる『瞬光』も手に入れた。
また、ハジメを救った神結晶から神水が取れなくなったので、ハジメとオスカーが神結晶の膨大な魔力を内包するという特性を利用して一部を錬成。ネックレスやイヤリング、指輪などのアクセサリーに加工した。聖やユエの最上級魔法等は魔力消費が激しく、一発で魔力枯渇に追い込まれる。しかし、電池のように外部に魔力をストックしておけば、最上級魔法でも連発出来るし、魔力枯渇で動けなくなるということもなくなる。欠片でもとんでもない量の魔力を貯蓄可能だ。
俺はこのネックレスや指輪を聖とユエに渡した。すると‥‥。
「「プロポーズ?」」
見事なシンクロ率で聞かれた。
「違うそうじゃない」
(いいぞぉもっとやれえ)
念話で拓人が茶々を入れてきた。覚えとけよ。
「それで魔力枯渇を防げるだろうと思ってな。今度はきっと聖とユエを守ってくれるだろうとも思ったし」
「……やっぱりプロポーズ」
「コウ、照れ隠しかな?」
「ええ‥‥‥」
少しタジタジだ。
「ま、まあ‥‥これからの旅はかなり危険だ。お前たちに死なれたら‥‥‥」
「‥‥プロポーズ」
「だね〜」
「‥‥‥‥‥‥‥‥」
だんまりを決め込む。何を言っても墓穴を掘りそうだ。
「ま、いいや。明日出発でしょ?」
「おう、そうだな」
「なら今日は早く寝ようかな。ユエ、寝よ?」
「ん‥‥‥おやすみなさい」
なんというか、マイペースだ。俺は苦笑しながら二人を見送るのだった。
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翌日
「さあて‥‥行きますか」
俺は一言だけ呟く。そして、オスカーに目配せをした。
「よーし‥‥。『転移』」
聖の詠唱(願い事)を合図に、地面に大掛かりな魔法陣が現れる。そして‥‥‥‥。
光が爆ぜる。白く染まる視界。俺は目を閉じる。再び目を開けた時、視界にあるものは‥‥‥。
大渓谷だった。清涼で新鮮な風が吹く。俺はこれほどまで空気が旨い≠ニいう感覚を、この時ほど実感したことはなかった。それぐらいに心地良かったのだ。
ここは地上の人間にとって、そこは地獄にして処刑場だ。断崖の下はほとんど魔法が使えず、にもかかわらず多数の強力にして凶悪な魔物が生息する。深さの平均は一・二キロメートル、幅は九百メートルから最大八キロメートル、西の【グリューエン大砂漠】から東の【ハルツィナ樹海】まで大陸を南北に分断するその大地の傷跡を、人々はこう呼ぶ。
【ライセン大峡谷】と。
しかし、長い間洞
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