第七話 解放者と神代魔法
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純白の光が爆ぜ部屋を真っ白に染め上げる。
まぶしさに目を閉じる。直後、何かが頭の中に侵入し、まるで走馬灯のように奈落に落ちてからのことが駆け巡った。
やがて光が収まる。目を開けた俺の目の前に、人影が一つ。
俺は注視する。ソレは、男だった。黒衣を着ている。よく見れば後ろの骸と同じローブを着ていた。
「試練を乗り越えよくたどり着いた。私の名はオスカー・オルクス。この迷宮を創った者だ。反逆者と言えばわかるかな?」
「なに‥‥‥?」
「ああ、質問は許して欲しい。これはただの記録映像のようなものでね、生憎君の質問には答えられない。だが、この場所にたどり着いた者に世界の真実を知る者として、我々が何のために戦ったのか……メッセージを残したくてね。このような形を取らせてもらった。どうか聞いて欲しい。……我々は反逆者であって反逆者ではないということを」
そうして始まったオスカーの話は、「反逆者」という名には似つかない内容だった。
話をとても簡単にまとめると、この世界の神々は実は狂っており、下界にいる人々を都合の良いように操り、戦争を遊戯のつもりでけしかけるド畜生らしい。それに反抗したのが、反逆者‥‥‥ではなく「解放者」だ。主に神代魔法を所持した七人を中心とする反抗勢力だったらしい。
‥‥が、神にはことごとく企みを見破られ、結局敗走。中心の七人だけが生き残り、それぞれ大迷宮を作ったという。
長い話が終わり、オスカーは穏やかに微笑む。
「君が何者で何の目的でここにたどり着いたのかはわからない。君に神殺しを強要するつもりもない。ただ、知っておいて欲しかった。我々が何のために立ち上がったのか。……君に私の力を授ける。どのように使うも君の自由だ。だが、願わくば悪しき心を満たすためには振るわないで欲しい。話は以上だ。聞いてくれてありがとう。君のこれからが自由な意志の下にあらんことを」
そう話を締めくくり、オスカーの記録映像はスっと消えた。それと同時に、頭の中に何かが入り込んできた。おそらく、オスカーの言ってた力のことだろう。
やがて魔法陣の光が収まる。魔法習得も終わったらしい。
「やれやれ‥‥これで新しく目的ができたかな?」
「そうだなあ。あんなクソ野郎さっさとぶち殺さね?」
「その前に全部の迷宮をクリアしたほうが良さそうだがなあ‥‥」
「そしたら当分は迷宮攻略だな。クラスメイトは‥‥どうでもいいか」
当分の予定が決まったので、俺はオスカーであろう骸骨に静かな声で話しかける。
「‥‥事情はすべて把握した。俺たちが、貴方たちの意志を引き継ぐ。そこで、貴方の持ち物をいくつか使いたいのだが‥‥」
(ああ、構わないよ)
「そうか、ありが‥‥‥ってはあ?!」
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