第五話 最愛との再会
[7/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
あれは凄かったぞ。撃墜された瞬間に修復したんだからな。さらに少し強化されてたし‥‥」
「拓人‥‥お前、撃墜されたんか」
「すみませんねえ」
「そういえば蜂起は、近接戦闘での如意棒は初めてだろ?」
「おう、でも関係なかったな。中国拳法の一つで習ってたし」
実際、蜂起は素晴らしい棒術を見せていた。もはや槍なのかレベルで突いてたし。
「それよりさ、一度拠点に戻らね?肉も運びながら」
「おお、そうだな。手分けして運ぶか」
と、いうわけで俺たちは肉を運びながら五十階層に作った拠点を目指す。広さはかなりのものだ。簡易ベッドやトイレなんかはハジメが作ってくれた。また、毛布も毛皮を使って作った。
「帰ったらユエに服を作るか」
ハジメが呟く。
「ついでにコウの装備の強化もしてみたいんだが‥‥」
「ん?俺のか。別にいいが‥‥どんな強化を?」
「時止ではなくても速く動けるように改造する方法を思いついた。まあ今構想してるのは10秒だけだが‥‥」
「ロマンありすぎだろ。ぜひとも頼むわ」
雑談しながら歩いてると、拠点についたので早速装備をハジメに渡す。ハジメが錬成を始めた。それをユエが興味深そうに見る。
俺は甘えてきた聖を膝枕しながら、その様子をほのぼのと見る。
「‥‥コウたち、なんでここにいるの?」
ユエが質問してきた。確かに疑問だろう。ここは奈落の底。正真正銘の魔境だ。魔物以外の生き物がいていい場所ではない。
「こりゃあ‥‥ハジメが話した方がいいかな」
「そうだな‥‥何から話すか‥‥‥」
そうしてハジメは語りだす。錬成は続けたままなのでぽつりぽつりとだが。
ハジメが、仲間と共にこの世界に召喚されたことから始まり、無能と呼ばれていたこと、ベヒモスとの戦いでクラスメイトの誰かに裏切られ奈落に落ちたこと、魔物を喰って変化したこと、爪熊との戦いと願い、ポーション(ハジメ命名の神水)のこと、故郷の兵器にヒントを得て現代兵器モドキの開発を思いついたことをツラツラと話す。
「コウ‥‥聖との関係は?」
「うーん、折角だし話そうか」
俺は話し始めた。聖との別れの出来事を。俺は別に裏切られたわけではない。ただ単純に、俺が弱かったからイジメられた。そう思っている。
壮絶(だと思う)過去を一通り話すと、ユエの方からグスッと鼻を啜るような音が聞こえ出した。
「ファッ!?」
俺はユエの方を見る。ユエは涙を流していた。見れば拓人や蜂起も、そっぽを向きながら涙を流している。
「いきなりどうした?」
「……ぐす……二人共……つらい……私もつらい……」
どうやら俺とハジメのことを思って泣いているらしい。優しい女の子だ。
その
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ