暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第8章:拓かれる可能性
第234話「可能性の半身」
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「説明はここまでね。とにかく、今は私が助けに来た事だけ理解してればいいわ」

「……敵か?」

「ええ。まずは撃退しつつ、神界からの脱出を図るわ」

「……わかった」

 説明の間が休憩にもなったのか、帝は回復しきっていた。
 そして、今は優奈によって“格”の昇華がなされている。
 ……もう、みじめに逃げ回る必要はない。

「“意志”を強く。それは変わらないわ。でも、それ以上に重要なのは自らの“領域”を保つ事。結界でも、信念でもいいわ。自分にとって“譲れないモノ”、それが貴方の“領域”であり、この神界において強みとなるわ!」

「ッ……!」

 刹那、極光が帝と優奈の二人を襲う。
 それを、優奈が理力で創造した剣で切り裂いた。

「“来る”わ!踏ん張りなさい!」

「ぐっ……!?」

 その直後に重圧が二人を襲う。
 理力を扱える優奈が事前に察知し、帝に備えさせる。

「(極光を切った際、かなりの熱を感じた……なら、熱に関する“性質”……!)」

 障壁を張り、重圧を軽減しつつ優奈は推測する。
 先程の極光には、物理的な熱が強く含まれていた。
 まともに食らえば、骨すら残らないような熱量だ。

「(さらに物理的な“重圧”。そして……!)」

 “ヒュッ”と言う、空気を貫く音が僅かに響く。
 直後、優奈は袈裟斬りを繰り出し、肉薄してきた“天使”の刺突を弾く。

「さしずめ、重力に関する“性質”と、槍または突きに関する“性質”ね……!」

「余計な邪魔を……!」

「今更白兵戦で負けないわよ……!」

 肉薄してきた“天使”は一人ではない。
 遅れて二人の“天使”と、その主である神がそれぞれ違う槍を持って襲い掛かる。
 しかし、計四人の攻撃を優奈は的確に捌く。

「俺も忘れるなよ……!」

「ちぃっ……!」

「私から目を逸らしていいのかしら?」

 帝の投影魔法による剣が“天使”達に向けられる。
 それに意識が向いた瞬間、さらに優奈が創造魔法で剣群を創造して繰り出す。
 剣の雨に、“天使”はその場で弾くか大きく迂回するように避ける。

「ふっ!!」

「ッ、さすがに強いわね……!」

 だが、残った神本人は最低限だけ逸らして優奈に槍の一撃を繰り出す。
 未だ重圧の影響がある優奈では、その連撃に防戦一方になる。

「そらぁっ!」

「ふん!」

「そこよ!」

 そこで、帝が足元から王の財宝で攻撃する。
 それを一息で弾く神だが、さらに優奈が緋雪の分身魔法を模倣して、四方から一斉に攻撃を仕掛ける。

「甘いっ!」

 だが、それすらも槍を一回しするように振るって弾いてしまう。

「『ええ。それで仕留めら
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