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怖がる犬
第三章

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 自分達を見て怯え続けるポポに優しく接していった、決まった時間にしっかりとした量のご飯をあげて優しい声をかけて散歩にも連れていった、毎日そうしていると。
 ポポは次第に家族を怯えた目で見なくなった、そうして。
 彼等の姿を見ても小屋に隠れなくなった、愛美はその彼女を見て両親に言った。
「ポポ隠れなくなったね」
「ああ、そうだな」
「私達を見てもね」
「そうなって」
 それでというのだ。
「嬉しいわ」
「ああ、お父さんもだ」
「お母さんもよ」
「そうなってくれたな」
「やっとね」
「お散歩の時も」
 愛美は両親がいつも連れて行っているそちらの話もした。
「私達の方をいつも見て怖がらなくなったし」
「そうだな、じゃあな」
「このまま優しくしていきましょう」
「そうしていくとな」
「ポポは私達にもっと懐いてくれるわ」
「そうしていくね」
 娘は両親の言葉に笑顔で頷いた、そしてだった。
 家族はこれまで通りポポに接していった、するとある日のこと。
 愛美がご飯をあげるとだった、ポポは。
「ワン」
 言葉と共に尻尾を振った、愛美はそのポポを見て両親に言った。
「ポポが尻尾を振ったの」
「そうしたのか」
「尻尾を振ったの」
「うん、左右にね」 
 愛美はその尻尾の振り方の話もした。
「そうしたの」
「そうか、遂にか」
「尻尾を振ってくれたのね」
「犬は嬉しいと尻尾を振るからな」
「ポポも嬉しいって思ってくれたのね」
「そうなのね、じゃあわたし達が声をかけたりしたら」
 その時のこともだ、愛美は話した。
「尻尾を振ってきくれる様になるかしら」
「ああ、きっとな」
「そうなるわよ」 
 両親は娘に確かな声で答えた。
「だからな」
「声もかけていきましょう」
「うん、それと」
 愛美はさらに話した。
「お散歩の時もわたし達を怖がっているけれど」
「そのこともな」
「変わっていくわよ」
「それじゃあ」
 愛美は頷いてだ、そうしてだった。
 家族はポポにそのまま接していった、するとポポが尻尾を振る回数は多くなっていき。
 家族を見ると目をきらきらとさせる様になった、散歩の時はほんの少しだがはしゃぐ風にもなった。
 ポポは徐々に家族に懐き彼等を見ると立ち上がって尻尾を振る様にさえなった。完全に彼等に懐く様になった。
 夫婦はその彼女のことを団体の人に話すと団体の人は二人に笑顔で話した。
「そうです、どんな酷い目に遭った子もです」
「優しく接していけば」
「いつもそうしていけばですね」
「幸せを知って」
 そうしてというのだ。
「家族になってくれます」
「そうなんですね」
「どれだけ酷い目に遭っても」
「犬にも心があります」
 団体の人はこのことも話した。
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