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剣を舞う男の娘
5話
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、いったいなにが・・・」

「まさかとは思うけどよ・・・」

 ブランタークさんはある可能性を口にしてると、急に魔導飛行船は急にその進路を変え、更にスピードを上げて逃走を開始していたからだ。

 魔導飛行船は、内臓された巨大な魔晶石に込められた魔力をエネルギーに、見た目が蒸気機関のような機械と普通の船のように帆を用いた風力によって動いている。

 この反応にブランタークさんは

「こりゃ、予感的中かもな」

 言葉を漏らしたあと、

「坊主共! 俺についてこい」

「「はい!」」

 俺とヴェル兄はブランタークさんについて行く。普段は関係者以外立ち入り禁止のブリッジの入り口に到着すれば、十数名の貴族や大商人らしき人達が入り口を警備する船員に抗議の声をあげていた。

「だから、どうして急に航路を変えた!」

「何があったのか説明しろ!」

「こんな、魔導機関の燃費を無視した速度! 何かが無いとおかしいじゃないか!」

「私の口からは、何も言えないんです・・・」

「では、船長を出せ!」

「説明くらいして当然じゃないか!」

 業を煮やしてブリッジに押し入ろうとする彼らと、ブリッジの中から応援が出て来て数名でそれを阻止しようとする船員たち。これを視るに

「見事に有象無象だな」(-。-) ボソッ

「コラ、ヘルト!」

 つまらないことをぼやいてると船員の1人がブランタークさんの姿を眼に入ると声をかけてくる。

「ブライヒレーダー辺境伯家の筆頭お抱え魔法使いでいらっしゃる、ブランターク・リングスタット様ですよね?」

「そうだが、それが?」

「船長から、相談したい件があると」

「わかった。事態が把握できないで不安なのはわかりますが、ここは私が代表して船長からお話を聞くという事で」

 流石だな。俺は思った。この時は――。

「まあ、このままじゃ何もわからないしな」

「ブランターク殿に任せるとしよう」

 高名な魔法使いは社会的にも地位が高いんだなと改めて知る。

「この子らは、俺の弟子だ。構わんな?」

「はい」

 といった感じで、俺たちもブリッジに入った。ヴェル兄は何故といった顔をしてたけどな。

 ブリッジに来たら、船長らしき人がブランタークさんを見て、

「わざわざすみません。船長のコムゾ・フルガです」

「副長のレオポルド・ベギムです」

「早速ですが、お呼び立てしたのは訳がありまして、実は・・・」

 訳を話そうとした船長だが、俺たちは透明の半球ドーム越しのアレを見て、状況を無理矢理にでも理解させられる。

「――いや、言われなくても視りゃわかる」

「こ、これは・・・」

「・・・いったい」
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