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レーヴァティン
第百四十二話 セビーリャ攻略その十一

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「徐々にでござるが」
「勢力を拡大していってるな」
「そうしているでござる」
「じゃあ諸都市群の方もな」
「勢力に収めてでござるな」
「そしてな」
「騎士団領や王国でござるな」
 進太は久志の話をここまで聞いて言った。
「ローマ帝国の様に」
「俺達どうもそうなってるな」
「そうでござるな」
「ああ、ローマ帝国はイタリア半島から興ってな」
 ブーツの形をしたとよく言われるこの半島からだ、これは古代でも人の足だの言われていたらしい。そしてシチリア島はその先の石だと言われていたのだ。
「そうしてな」
「地中海の制海権を手に入れて」 
 カルタゴとの三度の戦の結果そうなった。
「そして欧州の一大帝国となったでござる」
「そうだったよな」
「拙者達もまた」
「ああ、そのローマ帝国みたいにな」
「なっていっているでござるな」
「そうだよ、じゃあそのローマ帝国みたいにな」
「まずは、でござるな」
 久志の顔を見てそのうえで彼に次の言葉を促す様に言った。
「この連合王国を」
「完全に降そうな」
「わかったでござる」
「俺は皇帝になったしな」
「王もでござるな」
「認められるからな」
 自分の下にというのだ、皇帝は王のさらに上にある存在だ。その為自分の帝国の中に王の領土を置くことも出来るのだ。
「ここの王様と女王様だったな」
「お二人もでござるな」
「これまでの地位をな」
 即ち王位をというのだ。
「約束出来るだろ」
「ナポリ王も復位されたでござるし」
「そのことも話すしな」
「では地位と領土を保証すると」
「そのことを伝えながら」
 そのうえでというのだ。
「連合億国を手に入れていこうな」
「わかったでござる」
 進太は久志の言葉に微笑んで応えた、そうしてだった。
 久志はセビーリャを拠点として連合王国攻略を本格的に開始した、今回もまた戦よりも政を第一に置くことを念頭に置きつつそうしていくこととなった。それが最もよい方法であると確信しているからこそだった。


第百四十二話   完


                     2019・12・15
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