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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第20話:一矢は報いる意志
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いしますッ!!」
颯人と奏が互いを心配する傍ら、響は今の光景を見て翼の事も癒してもらうようウィズに頼んだ。
その光景は図らずも2年前、ライブ会場で奏がウィズに響の回復を懇願した時の状況と酷似していた。
その当時の事を彼も覚えていたのか、響の懇願を受けて大きく溜め息を吐くと翼にも癒しの魔法を掛け…………ようとして、何を思ったのか指輪を外し颯人に投げ渡した。
「へっ?」
「お前がやれ。私は疲れた」
「何だその理由?」
「じゃあ言い方を変えよう。不甲斐ない戦いをした罰だ」
「へいへい」
〈リカバリー、プリーズ〉
ウィズの割とかなり身勝手な物言いに辟易しながらも、颯人は翼に癒し魔法を掛ける。
傷を癒すことは出来ない魔法だが体力は回復するので、翼の顔色が先程よりもいいものになった。
それを見て奏と響は安堵の溜め息を吐く。
颯人も同様に安堵するのだが、そんな彼にウィズは厳しい言葉を投げ掛けた。
「無様な戦いだったな、颯人。あの程度の輩に後れを取るなど」
「うるっせぇな、見てたんなら手伝えよ!?」
「そして次も苦戦したら私に助けを乞うのか? そんな事ではお前は何時まで経っても弱いままだぞ」
言外に『次ヘマしたら見捨てるぞ』と告げるウィズに、颯人は忌々し気に舌打ちをする。それに対しウィズはこれ見よがしに鼻を鳴らし颯人を小馬鹿にしたような仕草を見せた。
「〜〜〜〜!? お前──」
ウィズの行動に、颯人よりも先に奏が怒りを露にし彼に掴み掛ろうとする。
が、それよりも早くに現場に漸く到着した弦十郎と了子が車から出てきた。
「皆、無事かッ!?」
「ッ! 旦那ッ!」
弦十郎と了子の到着に、奏は意識をそちらに向けた。
それに釣られてウィズも弦十郎達の方に視線を向ける。
翼以外の意識のある者全員の視線を受けて、弦十郎が真っ先に注目したのはウィズであった。
「君が、ウィズか?」
「あぁ……そう名乗っている。そういうお前は風鳴弦十郎、颯人が世話になっているようだな」
「俺の名前を知っているのか?」
「ロクな後ろ盾無しで動いてるんでね。自然と情報収集に力を入れるようになった。怠ると冗談抜きで命に関わるからな」
そう言いつつウィズは弦十郎と、ついでに了子に絶えず警戒を向けている。その証拠に2人が一定距離まで近づくと静かに距離を取るのだ。
ある程度気を許した相手以外は絶対に近づけさせないと言う意思を感じさせる。
この理論で考えると、自分から一定距離以上に近付いている颯人以外の装者達に対してはある程度気を許しているという事だろうか?
いや、単純に脅威として捉えていないだけだろう。あの透が変身したメイジを一方的に下せる相手だ。
クリ
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