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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第20話:一矢は報いる意志
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強烈な砲撃が行われ、地面に倒れ伏した颯人達。その4人に、クリスと透は悠々と近付いていった。目的である響の確保、そして颯人を完全に戦闘不能にさせる為に。
「ぐ、うぅ──」
「────げほっ!?」
2人が倒れた4人にある程度近付いた時、動き出す者が居た。奏と響だ。
この2人はあの砲撃に巻き込まれたと言うのに、意外なほど傷が浅い。
その事にクリスが疑問を抱いていると、起き上がった奏が他の3人に声を掛けた。
「颯人、翼、響……3人共、大丈夫か?」
「私は、何とか。でも、翼さんが──!?」
見ると、翼は響に覆い被さるようにして倒れていた。恐らく颯人では防ぎきれないと悟った瞬間、咄嗟に響を守る為にその身を盾にしたのだろう。
颯人が奏を守る為にその身を盾にしたように。
そう、この場で最も重症なのは颯人と翼だった。
「た、立花……大丈夫か?」
「は、はい。それより、翼さんの方がッ!?」
「そう、か。なら……う──」
「翼さん? 翼さんッ!?」
「翼ッ!? 颯人ッ!? 2人とも、しっかりしろッ!?」
遂に力尽きたのか、意識を手放しギアも解除される翼。
一方の颯人は先程から目覚める様子がない。こちらも完全に気を失っているようだ。
目に涙を溜めながら必死に翼に声を掛ける響。
奏は傷付き倒れた颯人と翼の姿に歯を食いしばり、次いで近付いてくる2人の姿を見て痛む体に鞭打って立ち上がりアームドギアを構えた。
まだ戦う意思を見せる奏に一瞬身構える透だったが、対するクリスはそんな奏の姿を鼻で笑った。
「はっ! まだやる気か? お前ももうフラフラじゃねえか」
「当たり前だ!? 颯人はこれ以上やらせないし、響だって連れて行かせない──!」
「あっそ。じゃ、死なない程度に痛めつけてやるよ」
そう言ってボウガンを構えるクリス。
だが──────
「──んだよ、透?」
その手を透が制した。ボウガンに手を掛け、その手をゆっくりと降ろさせる。
突然の行動を奏が怪訝に思っていると透はクリスに向けてゆっくりと顔を左右に振り、ボウガンから手を離すと今度は彼の方が奏に近付いた。
殆ど無防備に近づいてくる透に警戒しながらも、奏はアームドギアを振るって攻撃を仕掛けた。だがそれは容易く弾かれ、無防備な腹を晒してしまう。
その腹に、透の持つ剣の柄頭が刺さる。
「ぐぅっ?!」
腹部に走る痛みと吐き気に、奏はその場に蹲ってしまった。
更に追い打ちで、奏と響は魔法で拘束されてしまう。
〈チェイン、ナーウ〉
「ぐっ、くそっ!?」
「あっ!?」
動きを拘束された奏と響を見て、透はクリスに頷いてみせる。それにクリスは
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