第2章:奔走
第8話 『不穏の予感』
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」
「……! そう……なの……!」
リサの問い掛けに、燐子が驚くのであった。
「えっ? そうだよ? みんなそうじゃないの?」
対するあこは、それが常識なのでは無いかと言わんばかりの返答をするのだった。
「いや〜どうかな〜? アタシには妹いないからなぁ……」
「わたしも……いないから……」
リサと燐子が、そう答えるのであった。
そんな2人に、あこは胸を張ってこう返すのであった。
「ふんっ。2人ともおねーちゃんがいなから、わかんないんだよっ」
誇らしげな様子のあこは、そのまま続けていった。
「おねーちゃんってのはね、ずーっと、一番カッコイイ、妹のあこがれなのっ」
「……っ!」
そんなあこの言葉を聞いていた紗夜は、動揺していた。
自身の考えている事と、あこの話しを結びつけてしまったが故に。
「ちょっとちょっと〜、友希那カッコイイはどこ行っちゃったの?」
リサが、あこにそう尋ねた。
「一番カッコイイのはおねーちゃんだけど、超超超カッコイイのは友希那さ……」
あこが、リサの問いに答えようとした瞬間の事だった。
???ブチンッ!
「……え?」
学校から戻った洸夜は、自身の部屋のクローゼットの脇に置いてあるギターケースの中から取り出したギターを掻き鳴らしていたのだが、突如として弦が切れるのだった。
「1年以上触ってなかったからな……。メンテ不足か?」
何故切れてしまったのか考え込む洸夜であったが、前触れも無く弦が切れてしまったことに、何か不吉な予感を覚えるのであった。
「何も無ければ良いんだが……」
そう呟いた洸夜は、ギターをケースにしまうと、そのケースを背負い部屋を出た。
そして、下に居た母親に出かける趣旨を伝え家を出た。
家を出た洸夜は、真っ直ぐに江戸川楽器店へと向かった。
「いらっしゃいませ。あ、紗夜ちゃんのお兄さん」
扉を開くと、間髪入れずにそんな声が洸夜に飛んで来る。
「どうも、鵜沢さん」
洸夜は店員こと『鵜沢リィ』へと言葉を返した。
彼女は、花咲川女子学園の3年生で、紗夜の先輩にあたる。
洸夜とも面識がある。
「今日はどうしたのかな?」
「ギターのメンテナンスをお願いしたくて」
そう言って、背負っていたギターケースをカウンターへと置いた。
「何処をどういう風に?」
「えっと、弦の張り替えをメインにした全面的な補修と……ここに書いてある通りに調整を施してして欲しいんですけど」
そう言って洸夜は、1枚のメモを手渡した。
「はーい。時間かかるけど大丈夫?」
「はい。お願いします」
「あ、ねえ」
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