第2章:奔走
第8話 『不穏の予感』
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び呼び掛けると、紗夜は気が付き小走りで洸夜の隣に来るのだった。
「なんかあったか」
「何も……」
そう言った紗夜であるが、その顔色は何処となく暗いものであった。
そんな彼女を見た洸夜は「こっちも何かあるな……」と呟くのだった。
その後、2人は本日の練習の反省を話しながら家に向かうのだったが、終始紗夜の表情は曇ったままであった???
水曜日。
Roseliaのメンバーは、再びCiRCLEに集まり練習していた。
その最中の休憩時間、リサ、あこ、燐子の3人は、談笑していた。
「でね、その時もりんりんがあこを攻撃から守ってくれて……りんりんはカッコイイんだよっ、ゲームでも!」
「ははっ☆あこの向こう見ずは、リアルもゲームも変わらずなんだね〜」
燐子と遊んだゲーム内での出来事を、楽しそうに話すあこに、リサが言葉を返した。
そんなリサの傍に居た燐子が、言葉を紡ぐのだった。
「ゲ、ゲームの話は……。そ、それに……あこちゃんを……守ってくれるなら……お姉さんの方が……」
「あーっ! 巴ね、アタシ仲いいよ? 燐子も知ってるんだ、確かにあれは男前だ」
燐子の言葉に反応したリサが、そう反応するのだった。
そんな3人から少し離れた所で、紗夜は佇んでいた。
紗夜の様子が、普段とは何処か違っている事に気が付いた友希那は、紗夜に呼びかけるのであった。
「紗夜、どうかしたの?」
「……え、私がなにか?」
突然呼ばれた紗夜は、僅かに驚きながら応答した。
「こういう時いつもなら、私より先にあなたが、音楽以外の話をやめさせると思って」
友希那は、普段の紗夜とは異なる点を指摘するのであった。
「おねーちゃんのドラムはこう、どーーーんって! ばーーーーーん!!」
「あははっ! いっつもその説明だよね! 『どーーーん! ばーーーーーん!!』」
リサは笑いながら、あこの言った擬音を繰り返すのだった。
「……わた……しは……」
友希那の問い掛けに応えようとする紗夜だったが、聞こえてきたあこ達により、練習前に起こった出来事が脳裏を過っていた。
???……ん? そう言えば、このギターの子紗夜ちゃんに……???
その言葉が、幾度と無く彼女の頭の中で反響していた。
同時に、彼女の思考は、ある1つの事柄へとのめり込んでいった。
「紗夜? コンディションが良くないなら今日は帰……」
「い、いえ……大丈夫……! ただ少し、この休憩が終わるまで、頭を冷やさせ……」
友希那の言葉を遮りそう告げたが、紗夜の言葉はここで続かなくなった。
再び、3人の会話が耳に入ってきたからだ。
「つい最近まで一緒にお風呂入ってたんでしょー?
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