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ペルソナ3 ゆかりっちのパニックデート
前編
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しか彼と個室で二人きりになってしまった。ゆかり はすっかりその気でシャワーを浴び、そしてバスタオル一枚の姿で彼の前に立ったのだ。本当にあわやというところで正気に返り、驚いて反射的に彼の顔を思いっきりぴっぱたいてしまった。
ほんっっっとーに、危ないところだった。
あの時、もしあそこで正気に戻らなかったら・・・いったいどうなってしまっていたんだろう・・・。
考えるだけで体が熱くなってくる。
いつか自分の意思で同じことをする日が来るのだろうか。

(それにしても、彼と出会ってからたかだか数カ月の間にイベントが多すぎでしょ。これって何フラグなの?)
イベントと言えば、何と言っても極めつけは屋久島旅行だ。
そこで美鶴の父、桐条グループ当主の桐条武治 氏から10年前の研究所爆発の映像を見せられた。
(そこには、お父さんが映っていた。自分の過ちでこの事態を引き起こしたと話していた。信じていたのに、全てはお父さんの責任だった。ずっと、ずっと信じていたのに・・・。)
ゆかり は抑えきれずに感情を爆発させ、やつあたりで美鶴をののしり、やけになって外に飛び出した。もう特別課外活動部には戻れないと思った。
しかし、そこに彼が追いかけてきて、彼女のどうしようもない感情を全て受け止めてくれたのだ。彼は「それでも信じないと駄目だ。」と言ってくれた。「信じる」・・・それはこれまでも ゆかり の唯一の心の支えだった。それが間違いではない、と彼は肯定してくれたのだ。
「あんな映像はそれこそどうでもいい。事実の一部分だけを切り取ったものでは、本当のことは何もわからないよ。だから、岳羽がお父さんを信じてあげなくてどうする。」
絶望の淵 ギリギリのところで彼の言葉救われた。あの時、心が折れてしまわずにいられたのは彼のおかげだ。
そして、ゆかり はもう彼から目が離せなくなってしまった。

いよいよ、デート当日。
一緒に出かけるところを誰かに見られたら気まずいので、時間をずらして寮を出て、巌戸台駅で待ち合わせることにした。
ゆかり はさんざん迷った挙句、最近あまり着ていなかった品のいいワンピースを身に着けた。少し大人しめだが清楚な印象があり、デート服としてはまずまずだろう。
朝から部屋で落ち着かない時間を過ごしていたが、ようやく出発の時刻となった。
「よーし、勝負だ!」
声に出して気合を入れ、勢いよく立ち上がる。
階段を1階に降りていくと、ロビーでアイギスがコロマルと何かを話していた。
最近は見慣れてきてしまったのだが、犬と会話するロボットって考えてみるとやっぱりシュールだ。
ゆかり に気づいたアイギスは、何が気になったのか、近づいてくる彼女の姿をじっと見つめている。そして目の前まで歩いてきたところで、「ゆかり さん、お出かけでありますか?」と尋ねてきた。
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