アージェント 〜時の凍りし世界〜
第三章 《氷獄に彷徨う咎人》
白き地獄の底でA
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
てもええけど効率が悪すぎる。二人の力が要るんや」
観察する限りゴーレムの再生速度はそこまで速くない。シグナムやヴィータであれば再生される前に撃破できるはずであった。はやて自身は、リィンとユニゾンすれば近付いて来る相手ぐらいは中距離から封殺できる。
「いざとなったら私が転移で距離を取るわ。だから大丈夫よ」
「シャマル……分かった。主はやて、お気を付けて」
「あいつらぶっ倒した方が安全か……行ってくるぜ!」
「うん、二人も気を付けてな」
地上へと向かう二人の背中を見送りつつ、はやては前方の空を睨む。そこでは先程までシグナム達が受け持っていた飛行型のゴーレムが、丁度彼女達に襲いかかろうとしていた。
「さて……シャマル、リィン、ちょっとしんどいけど気合い入れて行くで!」
「ええ!」
「はいです!」
激戦はまだ始まったばかりであった。
「…粘るな。武装隊は早々に崩れると思ってたが」
予想外の健闘を見せる相手に、暁人はあくまで無表情で呟く。ゴーレム達には予め魔力量の低い相手から攻撃するようプログラムしてあり、武装隊は真っ先に標的にされた。武装隊の崩壊からの指揮系統の混乱を狙ったのだが、このままではそれは防がれそうである。
「まあ想定の内だ。修正する必要もない」
武装隊は崩壊こそしていないが後退を続けており、最低限の目的は達している。ゴーレムの損害もまだ余裕がある。現在のところ暁人の作戦は予定通りに進行していた。
「想定内と言えばそろそろ来る頃か」
呟くのと同時にその場から飛び上がる。足場にしていたゴーレムに砲撃が着弾し、大爆発を起こす。しかし、その氷像は他の物とは違う特別製。僅かに欠けたのみで大きなダメージは見られない。砲撃が飛来した方を見ればそこには、白雪の舞う空の中でなお目を惹く純白のバリアジャケットが目に入った。
「お前が一番手か……なるほど、大分無茶をしたらしい」
なのはが向かってきた方向だけ目に見えてゴーレムが減っている。恐らくは手当たり次第に砲撃で吹き飛ばしたのだろう。それでもなお衰えを見せないその魔力には流石の暁人も驚く他ない。
「………どうして」
「……何だ?」
「どうして貴方は戦おうとするの?こんな事しなくても氷雪ちゃんは…」
「治らない。氷雪を治せるのは俺だけ等と自惚れちゃいないが、管理局だけは絶対に駄目だ」
「そんな事ない!管理局には優秀なお医者さんが沢山いる!その人達なら…」
「くどいぞ、高町なのは。お前達の言葉を聞き入れるつもりは無い」
「………そう、ならーーー」
取り付く島もない拒絶の言葉を前に、なのはもついに会話を諦めた。ここから始まる
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ