アージェント 〜時の凍りし世界〜
第三章 《氷獄に彷徨う咎人》
白き地獄の底でA
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「氷像群、前進を再開しました!」
宣戦布告は終わったとばかりに動き出す無数のゴーレム達。その全てに対処できる程アースラの戦力は潤沢では無かった。
「住民の避難は?」
「おおよそ完了しています」
「……よし、武装隊はゴーレムの相手だ。性能が分からない以上一体ずつ処理してくれ」
「はっ!」
「はやては武装隊の支援だ、威力よりも手数を重視してくれ。ヴォルケンリッターは彼女の護衛を」
「了解や!」
「承知した」
「なのはとフェイト、それと僕は白峰暁人の捜索をする。奴を倒せばゴーレムも止まる筈だ」
「分かった」
「……うん」
矢継ぎ早に指示を出すクロノ。ゴーレムの全てを受け止められない以上、中枢である暁人を叩くのは必然であった。なのはの返事がやや遅いのが気になったが、表情を見る限り迷っている訳ではなさそうだ。クロノはその表情を何度か見たことがあった。それはPT事件の時、フェイトとの決闘に臨む直前であり、あるいは闇の書事件において、暴走した防衛プログラムを吹き飛ばすと決めた時であった。覚悟を決めた、という事だろう。
「……これが奴との最後の決戦だ。必ず捕まえるぞ!」
最後にそう締め括ると、全員で出撃するのであった。
武装隊の魔力弾が巨人型の氷像を打ち据える。目立った損傷は無いが脚を止めるゴーレム。そこに
「《ブラッディダガー》!」
魔力でできた深紅の短剣が雨の様に降り注ぐ。大きくよろめく氷の巨人、その前進に穿たれた様な痕が刻まれていた。
「そこまで堅くないみたいやね。集中して撃ち込めば倒せるはずや」
はやての分析に武装隊の勢いも増す。倒すことが出来る相手ならば、必要以上に恐れる事はないのだ。しかし、
「……いえ主、あれを」
「うん?……これは厄介やな」
最初に気付いたシグナムが注意を促す。先程より足元を動き回っていた雪だるま達、それが巨人の胴体を駆け上ると、損傷した部位に取り付き、そこで崩れる。するとその雪が巨人の傷を埋めていくのだ。瞬く間に完全に修復された巨人は、何事も無かったかの様に腕を振り上げると、反攻の一撃を降り下ろした。
「くそっ、怯むな!限界はある筈だ!」
武装隊に広がる動揺を隊長が収める。射撃を再開する武装隊だが、与えたダメージも悉く回復されていく。
「こらアカンなあ…シグナム、ヴィータ、二人も行って加勢して」
「けどよぉ、はやての守りはどうすんだ?」
前回の負傷でザフィーラが出れない事が響いていた。戦闘タイプではないシャマルだけでははやてを守りきれない。だが、彼女は迷わなかった。
「かまへん。いま前線に必要なのは一発の攻撃力や。私が撃っ
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