東方
【加筆修正】幻想郷がソ連に蹂躙される話D
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「圧倒的じゃないかわが軍は!」
「圧倒的ね」
八雲紫は後悔していた。
レミリア・スカーレットは、穏健派であり、こちらへの要求も軽いものだと考えていたのだ。
ソ連からの要求は、ただ一つ。
共産主義を広め、共産主義に基づいて幻想郷を管理すること、だった。
とても受け入れられるような要求ではない。
「見ろ、人がゴミのようだ!」
「……」
赤の広場を通る軍事パレードをレミリアと一緒に観覧していた。隣で何やら騒いでいるが聞いている余裕は紫にはなかった。
歓迎式典と謡っているがどう考えても示威行為である。
レミリアがやけに自分や藍と親し気に話しかけてくるので、余計に警戒を強めていた。
その会話の中にも博麗神社や地底の話など驚くほど幻想郷について知っていることを匂わせている。
つまり、相手に情報は筒抜けということ。これも示威行為の一つなのだろう。
妖怪は人を襲い、人は妖怪を退治する
この古き良き時代を現代に再現したのが幻想郷なのだ。
独裁者が君臨し、強引に妖怪と人間を共存させるのではない。自然な形を残したかったのだ。
だから、管理者である紫も、基本的には放任していたのだから。
しかしレミリアには通じなかった。
いやもう何を考えても詮無いことか。交渉はすでに終わっているのだから。
「今この場で決めなさい。服従か死か。どちらでも構わないわよ」
交渉相手がクレムリンから幻想郷を訪れた。紫がまず驚いたのは、交渉の場にレミリア自らが来ていたことだった。
両者とも組織の長だが、圧倒的に紫の立場の方が劣っていた。
何とか幻想郷の「あるべき姿」を保とうと交渉したが、にべもない。
すぐに決断しろと言われた紫も腹を決めた。
「降伏するわ」
「話の分かる妖怪でよかったわ。わざわざ私が赴いた甲斐があったわね」
レミリアは、紫の降伏を快く受け止めた。
転生したときの最初の願い――幻想郷を赤く染めることができる。
この事実に彼女は有頂天だった。
原作キャラに会いたいなあ、とミーハーな気分になりながら帰国した。
本当は幻想郷めぐりをしたかったが、一応敵地であるのと仕事が立て込んでいて、泣く泣く断念したのである。
博麗大結界の誤作動の問題は、まだ残っている。が、幻想郷側がソ連人を保護するように義務づけられた。
これについては、紫も当然の要求だと考えており、早急に博麗大結界の正常化が求めれた。
多少不本意な形でありながら、とりあえず幻想郷の未来は守られた。八雲紫はそう思って安堵していた――
――幻想郷に拉致されたソ連人が過激派に殺害されるまでは。
◆
「莫迦な
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