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ペルソナ3 追憶の少年
後編
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って元気に退院したらしい。天田がシャドウを倒したことで、状態が急速に改善したようだ。
「天田君には本当にお世話になったわね。」
「いえ、そんな・・・僕の方こそお世話になって・・・ごはんもごちそうになったし・・・」
天田は赤くなってしどろもどろに答えた。
母親はその様子をしばらく微笑みながら見つめ、それから天田にそっと告げた。
「それじゃあ、そろそろ帰るわね。きっと、お父さんが菜々子に会いたくて首を長くしてるわ。」
それまでコロマルにじゃれついていた菜々子は、顔を上げると「ななこ もおとうさんにあいたい。」と言った。
「じゃあ、菜々子ちゃん、元気でね。」
天田が声をかけると、菜々子は急に赤くなってもじもじとし、それから足元まで近づいて内緒話をするように口に手を添えた。
天田がしゃがむと菜々子はその耳元で、大事な秘密を打ち明けるようにひそひそと言った。
「あまだくんが、ななこ のおにいちゃんだったらいいのに。」
天田はにっこり笑うと、今度は菜々子の耳元で小さく「僕も菜々子ちゃんみたいな妹がいたらいいな。」と言った。
菜々子は嬉しそうに笑って立ち上がると、今度は大きな声で「また、あそんでね。ばいばい」と言って手を振った。それからコロマルにも「ばいばい」と声をかけると、ドアに向かって歩きだした。
ドアの前で振り返って頭を下げる母親の姿に、天田はまた亡き母の面影を見た。
そしてその後ろ姿を見送りながら小さくつぶやいた。
「さよなら・・・お母さん。」
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