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ペルソナ3 追憶の少年
後編
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回させると、再度 相手にたたきつけた。
シャドウが激しくもがく。
(大きなダメージは無理でも、こうやって少しずつ削っていけば・・・)
更に追い打ちをかけようと、動きを止めずに物干し竿をうならせる。
しかし、次の攻撃はキィーンと音を立ててはじかれた。竿を持つ手が衝撃で痺れる。
カウンターで攻撃をくらい、かろうじて防いだものの反動で物干し竿を取り落としてしまった。
慌てて拾おうとしたが、物干し竿は真っ二つに折れ曲がっていた。
攻撃にペルソナ能力を加えることができても、物理的な強度が増すわけではない。
物干し竿は、シャドウの攻撃を受け止められるほど丈夫ではなかった。
「ちくしょう!」
天田が飛びのく。それを追ってシャドウが襲い掛かってくる。素早い。
かわそうとして足がもつれ、天田はその場に転倒した。
そこにシャドウがのしかかってきた。身をすくめる天田の目前で、シャドウが腕を振り上げる。
絶対絶命だ。
恐怖に息が詰まる。頭に死のイメージ浮かんだ。
その瞬間、天田の体の中から微光をまとったロボットのような姿が浮かび上がり、シャドウを押し返した。
「ネメシス!」
反射的に天田が叫ぶ。
天田のペルソナ『ネメシス』から眩い光線が走り、シャドウを弾き飛ばした。
攻撃を終えてペルソナが静かに姿を消す。
「やったか?」
天田は素早く起き上がると、少し距離を取って相手の様子を確認した。
シャドウが倒れている。しかし体を震わせながら起き上がろうともがいていた。
かなりのダメージはあるようだが、まだ倒せてはいない。
今が追撃のチャンスだ。
・・・しかし武器が無い。
「ペルソナ!」
天田は叫んだ。
・・・今度は何も起きない。
やはり、そうそう思い通りにはならない。
(落ち着け。集中しろ。)
自分に言い聞かせながら、もう一度ペルソナを呼ぶ。
「ネメシス!」
だが、やはりペルソナは現れない。
「くそっ、あと一息なのに・・・」
天田は焦りを感じた。
最後の望みとして、先ほどのような危機一髪の瞬間に、命の危険に応えてペルソナが発動する可能性にかけるしかない。
そのとき、小刻みにふるえるシャドウの体から、いきなり電撃が走った。
手詰まりで立ちすくんでいた天田は、攻撃をもろに食らって転倒した。
激しい衝撃で気が遠くなるのを、必死にこらえる。
全身がしびれて動けない。精神が集中できない。
焦る天田の瞳に、体を引きずるようにしてゆっくり迫ってくるシャドウの不吉な黒い巨体が映った。
(もう・・・駄目だ・・・)
天田は恐怖のあまり息もできずに身を震わせる。
脳裏に母と菜々子の母親の姿がダブって浮かぶ。
そして、ズルズルと目の前まで這い寄ってきた黒い巨体が、雄たけびとともに腕を振り上げた。

そのときだった。
高ら
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