第四章
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「私にとっては確かにね」
「馴染みの場所ですね」
「東京全体がそうだけれどね」
「その中でもですね」
「可愛い女の子がいつも沢山いるわ」
妖しく笑って述べた。
「だからね」
「それで、ですね」
「あそこにはよく行って」
「女の子と遊んでいますか」
「よくね、渋谷でも新宿でもそうで」
そうした場所でもというのだ。
「この銀座でもそうね」
「銀座ではお姉さんとですね」
「馴染みの人が多いわ」
やはり妖しく笑って話す。
「ホステスの娘やママにね」
「それであちらのお店でもですね」
「よく飲むわ。ホストクラブにも入るし」
紗耶香が愛するのは女性だけではない、実は彼女は性別に関わらず肉欲を愛するのだ。それでホストクラブにも入るのだ。
「あちらも馴染みの場所よ」
「そして大塚や巣鴨も、ですね」
「鶯谷もね」
こうした場所もというのだ。
「そうした場所はそうした場所でね」
「お金を出して、ですね」
「そうして遊ぶ人もいいものよ」
所謂風俗産業だ、紗耶香は実に様々な女性と床を共にする。その中には古い言葉で娼婦と呼ぶ人達も含まれているのだ。
「吉原もね」
「相変わらずですね」
「私は変わらないわ、そしてその原宿だけれど」
「まだ内密のお話ですが」
それでもとだ、男は紗耶香に話した。
「行方不明の男女が数人です」
「出ているのね」
「はい、時間帯は不定で」
「朝やお昼とは限らないのね」
「夜もです、ただ消息を絶ったのは全て十代の若者で」
男はおかわりのジントニックを飲みながら今はクラーレット=パンチを飲んでいる紗耶香に対して肝心の消息を絶った者達のことを話した。
「美少年、美少女と言っていい」
「そうした子達だったのね」
「都内の」
「都内の子達が原宿に遊びに来ていたのね」
「おそらくは。ですが」
「遊びに来たその中で攫われた」
紗耶香は飲みつつこの言葉を出した。
「そうだというのね」
「さて、拉致されたとはです」
男は自分の酒を一口含んでから紗耶香に答えた。
「私も今はです」
「警視庁としてはですか」
「わかりません、ただその線はです」
「高いと見ているのね」
「はい」
実際にという返事だった。
「私達にしましても」
「そうなのね、私はね」
「直感で、ですか」
「そう感じたわ、そして攫われた子達はね」
沙耶香はここで、だった。
金のコインを出した、見れば只のコインではない。何かしらの紋章が表と裏に刻み込まれたものだ。
そのコインを右手の平で指を使ってくるくると回転させてだった、掌の中で止まり平たくなって表か裏かを見た、そうして。
表になったのを見て男に述べた。
「皆生きているわね」
「命は奪われていませんか」
「ええ、
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